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日産自動車、米スタンフォード大学およびPSI社と共同でエンジン内のガス温度を計測する新技術を開発

 

 

 

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は、アメリカのスタンフォード大学(Stanford University)およびPSI社(Physical Sciences Inc. 本社:米国マサチューセッツ州)との共同開発により、最先端のレーザー計測法を用い、運転中のガソリンエンジン内部のガス温度やガス組成をリアルタイムに非接触で計測できる技術の開発に世界で初めて成功した。

今回のグローバルな産学協同開発は、2002年11月にゴーン社長がスタンフォード大学で講演したことに端を発し、それまでの各々の知見をもとにPSI社を交え、3者による共同開発がスタートしたものである。
それぞれの分担は、スタンフォード大学が基本原理および手法開発を、PSI社が半導体レーザー装置を、日産は全体の取りまとめと温度センサーの開発を主に担当した。

今回開発した新技術は、半導体レーザーを用いて燃焼室内のガス濃度を計測し、これをもとに温度を算出する方式で、リアルタイムかつ非接触で連続計測が可能である点が優れている。
さらに点火プラグに内蔵可能な超小型温度センサーの開発の成功により、取付けに際しエンジンの加工が一切不要な上、測定エンジンが限定されないことも大きな特徴である。

従来、エンジン内部のガス温度計測は、シリンダーの内壁に埋め込んだ温度センサーを使用するか、燃焼室内部が見える特殊なエンジンを用いて火炎の映像を撮影し、これをもとに推定するしか方法がなかった。これらはいずれもエンジン本体への加工等、事前の準備が必要となる上、高い測定精度を確保することが困難であるという問題点があった。

この新技術開発の成功は、測定精度の大幅な向上により、ますます高まっている燃費や排出ガスのクリーン化要望に応える上で、非常に有効な開発手段となる。特に、始動直後の低温時や加減速時等、安定した燃焼の実現が難しい条件における動力性能と環境性能の改善において、今後のエンジン開発における貢献が大いに期待される。


(スタンフォード大学工学部機械工学科Hanson教授コメント)
私は日産自動車とのこの共同開発で、最先端の科学を高度な工学にリンクできた私たちの成功に大変満足しています。 測定技術を進めることに加えて、この仕事がエンジン開発に提供する貢献を楽しみにしています。

 

 

以 上