SUPER GT第8戦・最終戦(鈴鹿)レースレポート

日産自動車株式会社
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社



--ニスモは3年連続のチームチャンピオンを獲得--


11月6日 鈴鹿サーキット(三重県)

本年のSUPER GTシリーズ最終戦の決勝レースが11月6日(日)に鈴鹿サーキット(1周:5.807km)で開催され、激しい雨が降る中予選9位からスタートした#1ザナヴィ ニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン組)が2位表彰台を獲得した。また、これによってニスモは3年連続のチームチャンピオンを獲得することとなった。観客総数は35,500名。

朝から降り始めた雨は、正午過ぎには本格的な降雨となった。このため決勝レースは周回を予定の52周から39周に短縮して行われることとなった。午後2時53分にセーフティカーに先導されてレースがスタート。その先導車周回の4周が終了した時点でレースはレーシングスピードに移ったが、ニスモのZ 2台は共にその周回にピットイン。早々とドライバー交代する作戦を取った。レースをスタートした#1 Zの本山、#22 モチュールピットワークZ(予選10位)の柳田真孝からそれぞれライアン、ミハエル・クルムに交代し、残り35周を二人目のドライバーがドライブするというものだ。それによってレース序盤は下位に沈んだが、21周目には#1 Zは6位に、#22 Zは8位に浮上した。さらにドライバー交代をしていないチームがその後続々とピットイン。24周目には4位、6位となり、さらに32周目に#1 Zは3位へとポジションアップした。そして36周目に最後のマシンがピットインして2位となると、ライアンは首位を走る#38スープラとの差をみるみる詰めて行った。

ここで逆転すれば#1 Zは3年連続のドライバーチャンピオンを手中にすることができるため、ライアンは激しいプッシュで#38スープラに迫った。一時6秒以上離れていた両車の差を最終ラップには0.8秒以内に詰め、追い抜きのチャンスをうかがった。しかし、同様にタイトルのかかっている#38スープラも気迫の走りでライアンの追撃を振り切って、39周目のチェッカーフラッグを受け、#1 Zは2位となった。一方、6位まで順位を上げたクルムの#22 Zは、重いウェイトハンディが響き、レース終盤にペースが上がらず、8位でレースをフィニッシュすることとなった。

予選中のクラッシュでレース出場が心配された#12カルソニックインパルZは、GT500クラスの最後尾からレースをスタートした。スタートドライバーのブノワ・トレルイエは、多くの車両がスピンアウトする悪条件の中ファイトあふれる走りでレース序盤を戦い、一時トップを走る#36スープラのすぐ背後に迫った。この健闘にグランドスタンドの日産サポーターは大いに湧き上がった。31周目にピットインし、クラッシュから立ち直った井出有治に交代。10位でレースに戻り、9位でチェッカーフラッグをくぐり抜けた。また、7番手でレースをスタートした#3 G'ZOX・HASEMI・Z(金石年弘/エリック・コマス組)は、SCラップ解除直後の6周目に4位となり、13周目にピットイン。レースの後半三分の二を担当した金石も気迫のこもったドライビングで上位車をパス。最終的には4位でフィニッシュした。

【ニスモ出川監督のコメント】
「リチャード(ライアン)の素晴しい走りとチームのがんばりでこのレースの2位になり、チームチャンピオンを取れたことは非常に誇りに思います。最初の5周目にピットインしてドライバー交代したことが、全てです。賭けでもありましたが、功を奏しました。文字通り最後の1mまでチャンピオンに挑む姿で今シーズンを終えられて良かったし、今日、雨の中で応援してくれた多くの日産ファンの皆様に感激してもらえたのが何よりの成果だと思います。本当にご声援ありがとうございました」

【#1 Z 本山哲のコメント】
「リチャードの最後の追い上げは本当にすごかったし、ピットで僕も手に汗を握っていました。3年連続チャンピオンは逃したけど、今は清々しい気分です。一時は激しい雨でレースができないかと心配しましたが、こんなに集まってくれた観客の皆さんにドラマチックなレースが見せられて本当に良かったです」

【#1 Z リチャード・ライアンのコメント】
「良いレースでしたね。本当はドライバーズチャンピオンが取れなくてちょっと残念だけど、チームチャンピオンが取れたのでハッピーです。チームに貢献できてすごく光栄です」

【総合結果】 39 Laps

Pos No  Machine  Driver Time / Behind
1 38  ZENT セルモスープラ  立川祐路/高木虎之介 1:41'36.807 
2 1  ザナヴィニスモZ  本山哲/R.ライアン +1.538 
3 6  エッソウルトラフロースープラ  脇阪寿一/飯田章 +23.605 
4 3  G'ZOX・HASEMI・Z  金石年弘/E.コマス +31.772 
5 36  OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA  土屋武士/J.コートニー +32.925 
6 18  TAKATA童夢NSX  道上龍/小暮卓史 +33.804 
7 37  OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA  片岡龍也/山本左近 +39.778 
8 22  モチュールピットワーク Z  M.クルム/柳田真孝 +41.345 
9 12  カルソニック インパル Z  B.トレルイエ/井出有治 +45.902 
10 32  EPSON NSX  松田次生/A.ロッテラー +1'00.621 

【シリーズポイント】 ドライバーズランキング

Pos No  Machine  Driver Points
1 38  ZENT セルモスープラ  立川祐路/高木虎之介 67 
2 8  ARTA NSX  伊藤大輔/R.ファーマン 61 
3 1  ザナヴィニスモZ  本山哲/R.ライアン 60 
3 36  OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA  土屋武士/J.コートニー 60 
5 22  モチュールピットワーク Z  M.クルム/柳田真孝 57 
6 6  エッソウルトラフロースープラ  脇阪寿一/飯田章 51 
7 37  OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA  片岡龍也/山本左近 43 
8 3  G'ZOX・HASEMI・Z  金石年弘/E.コマス 42 
9 32  EPSON NSX  松田次生/A.ロッテラー 38 
10 18  TAKATA童夢NSX  道上龍/小暮卓史 37 
11 12  カルソニック インパル Z  B.トレルイエ/井出有治 35 

【シリーズポイント】 チームランキング

Pos No  Team Points
1 1, 22  NISMO  86 
2 8, 18  Team Honda Racing  82 
3 36, 37  TOYOTA TEAM TOM'S  73 
4 38  TOYOTA TEAM CERUMO  67 
5 6  ESSO TOYOTA Team LeMans  51 
6 3  ハセミモータースポーツ  42 
8 12  TEAM IMPUL  35 

以 上