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日産自動車とNECの合弁会社、AESCが高性能リチウムイオン電池の事業化を決定

2009年度中の量産開始へ向け120億円を投資
(左から)NECトーキン株式会社 代表取締役 執行役員社長 岡部政和、NEC 取締役 執行役員専務 鹿島浩之助、オートモーティブ・エナジー・サプライ株式会社 代表取締役社長 大塚政彦、日産自動車株式会社 副社長 カルロス・タバレス、日産自動車株式会社 常務執行役員 篠原稔

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン、以下:日産)、日本電気株式会社(本社:東京都港区芝 社長:矢野薫、以下:NEC)、およびNECトーキン株式会社(本店:宮城県仙台市太白区郡山 社長:岡部政和、以下:NECトーキン)は19日、三社間の合弁会社である「オートモーティブエナジーサプライ株式会社(Automotive Energy Supply Corporation、本社:神奈川県相模原市下九沢、社長:大塚政彦、以下:AESC)」による自動車向け高性能リチウムイオン電池の事業化を決定しました。

2007年4月に日産とNECグループの折半出資会社として設立されたAESCは、次世代の電動自動車(ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車など)を対象としたリチウムイオン電池の開発およびマーケティングに取り組んできました。このたびの事業化に際して、NECとNECトーキンが自動車用大容量ラミネート型電池(セル)技術の提供と電極の生産を担当する一方、日産は長年の経験による車両に応用した技術を提供します。

また、AESCの資本金は15億円となり、今後は日産、NECグループ、およびNECトーキンがそれぞれ51%、42%、7%の株式を保有します。

AESCは初期段階として、今後3年間で120億円の投資を行い、日産座間事業所(神奈川県座間市)内に生産ラインを新設します。2009年度までに稼働開始予定である同施設の年間生産能力は、車両にして13,000台分相当からスタートし、将来的には65,000台分となる見込みです。

また、NECトーキンは、今後3年間で110億円を投資してNEC相模原事業場(神奈川県相模原市)内に生産ラインを新設し、AESCの需要に合わせた電極の量産を開始する予定です。

AESCは、世界の自動車業界における潜在的顧客に対してバッテリー商品の販売を行っていきます。AESCは、高性能、信頼性、安全性、用途の広さ、そして価格競争力を提供するバッテリーを生産することにより、バッテリー技術におけるリーダーとなることを目指しています。

同社の高性能リチウムイオン電池は、従来の円筒形ニッケル水素電池と比べて2倍の電力を供給できる小型のラミネート構造を採用しています。AESC製電池を搭載した実車走行試験では、安全性、高性能品質を立証しており、100,000km以上を走行する長寿命も実現しています。

日産の副社長であるカルロス タバレスは、「日産は、持続可能なモビリティの最終的な解決策がゼロ・エミッション車であると確信している。電気自動車は、日産の新中期経営計画である『日産GT 2012』に組み込まれた戦略の1つである。」と述べております。

NECの取締役執行役員専務である鹿島浩之助は、「NECの研究所で誕生した高安全・低コストのマンガン系リチウムイオン電池技術と、NECトーキンの電池製造技術ノウハウおよび最先端の電極材料技術がAESCの競争力を高めるものであると確信している。当社の技術を実用化したAESC製電池の普及を進めることでCO2排出量を削減し、地球環境に貢献したいと思う。」と述べております。

AESC製リチウムイオンバッテリーは、2009年に発売される小規模事業用フォークリフトに最初に採用される予定です。これに続き、米国、および日本において2010年度に投入される日産の電気自動車、および日産独自のハイブリッド車に採用される予定です。日産は、バッテリーの需要を大幅拡大することとなる、電気自動車のグローバル規模での量販を2012年までに行う計画です。

AESCはまた、プロジェクト・ベター・プレイス社が行う試験的取り組みへのリチウムイオンバッテリーのサプライヤーに指名されています。2億ドルの資金を調達した、米カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くプロジェクト・ベター・プレイス社は、消費者にさらにクリーンで持続可能な個人交通代替手段を提供する電気自動車をサポートする市場基盤の交通インフラを形成することによって、世界規模で燃料への依存度を削減することを目標とするベンチャー企業です。プロジェクト・ベター・プレイス社は、ルノー・日産アライアンスと協力し、2011年度にイスラエル、およびデンマークにおいて、世界初のゼロ・エミッション車の投入を計画しています。

なお、AESCは、神奈川県の産業集積促進方策「インベスト神奈川」に基づき、上記120億円の投資に建屋リース料を加えた総額134億円*の投資に対する助成金の認定申請書を提出しています。
また、NECトーキンも同制度に基づき、上記110億円の投資に建屋リース料を加えた総額137億円*の投資に対する助成金の認定申請書を提出しています。

* 総投資額には、生産、開発、および建屋リース料が含まれている。

以 上