NISSAN GT-Rがフルポイント優勝で今季6勝目

SUPER GT第8戦レースレポート

10月19日 オートポリス (大分県)
SUPER GT第8戦決勝レースが大分県日田市のオートポリス(1周:4.674km)で行われ、ポールポジションからスタートした「XANAVI NISMO GT-R」(#23 本山哲、ブノワ・トレルイエ)が一度も首位を譲ることなく優勝。レース中のファステストラップも記録したため、最大ポイントを獲得しシリーズチャンピオンに向けて大きく前進した。同車は開幕戦、第2戦に続いて今季3勝目。NISSAN GT-Rの優勝は、これまでの全8戦中6勝目となった。

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この日は快晴に恵まれたため早朝から多くの観客がオートポリスに詰めかけ、決勝レースがスタートした午後2時には28,800人を数えた。その大観衆が見守る中、トレルイエの#23 GT-Rは好スタートを切り、直後から2位以下を引き離しにかかった。そのスタートダッシュにより、数周目には約4秒ものリードを築き、他を寄せ付けない強さを印象づけた。その後も#23 GT-Rを脅かすマシンは現れず、さらにドライバー交代のピットワークでもニスモ・ピットクルーは迅速な作業でマシンをコースに送り出し、それまで2位を走っていた#1 NSXとの差を確かなものとした。レースに戻った本山も危なげないレースを展開。終盤に差し掛かるとコース上ではスピンアウトやバトルによって接触するアクシデントが多発したが、本山はそれらに関わることなくGT-Rをフィニッシュラインに運んだ。これによって、優勝の20ポイント、ポールポジションの3ポイント、ファステストラップの1ポイントと、設定された全ての最大ポイントを獲得。最終戦の富士には、ポイントランキング首位で臨むこととなった。

予選1回目にトップタイムを記録しておきながら、再車検でリアウィングの高さが規定をわずかに超えていると指摘されてタイムが抹消された「MOTUL AUTECH GT-R」(#22 ミハエル・クルム/柳田真孝)は、決勝レースを16位からスタートすることとなった。序盤の周回を担当したクルムは、オープニングラップで14位となると、ライバルチームのタイヤ摩耗が進んだ18周目にピットインしてタイヤを交換。クルムは速いペースで周回し、一時暫定2位まで順位を押し上げた。43周目にピットインして柳田に交代すると、2ピット作戦のため10位まで順位を落としたが、柳田もハイペースで上位を追い6位まで挽回してフィニッシュ。その後上位車がペナルティでタイム加算となったため、繰り上がって5位入賞を果たした。

第7戦優勝の「YellowHat YMS TOMICA GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/横溝直輝)は、ハンディウェイト60kg(20kgのエアリストリクター調整分含む)を感じさせない力走を見せ、予選5位からスタートして6位に入賞した。「カルソニックIMPUL GT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)は10位完走、途中パワーステアリングにトラブルの発生した「WOODONE ADVAN Clarion GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)は、ピットガレージで修復を受けたのちにレースに復帰し、8周遅れでフィニッシュした。

【#23 GT-Rドライバー 本山哲のコメント】
「チャンピオン争いのためどうしても勝ちたいレースだったので、優勝できてほっとしました。予想よりも気温が高く、タイヤマネジメントも心配しなければならない中、ポールポジションからスタートできたことが勝因だと思う。ブノワのスーパーラップでのすごい走りに感謝しています。レースでもチームのピットワークが勝負を決定づけたと思うし、本当に皆で勝ち取った勝利だと思います」

【#23 GT-Rドライバー ブノワ・トレルイエのコメント】
「スタート前はもの凄いプレッシャーだったけど、特に心配していたスタートに集中できたのが良かった。自分の目的は、少しでも多くのギャップを作ってトップでサトシ(本山)にクルマを渡すことでした。オープニングラップでリードを作って、残りの周回はタイヤをキープすることに専念できたので、自分としてはうまくやれたと思います。今日の勝利はとっても嬉しいです」

【ニスモ飯嶋嘉隆チーム監督のコメント】
「今回は本当に緊張しました。簡単なレースではなかったのですが、苦しい中2台ともドライバーが素晴らしい走りを見せてくれました。チャンピオンに向けて、非常に大きな一歩になったと思います。次の最終戦はまた重量が重くなりますのでどうなるか分かりませんが、精一杯頑張りますので皆様のよりいっそうの応援をよろしくお願いします」

【総合結果】 65Laps
PosNoMachineDriverTime / Behind
1 23 XANAVI NISMO GT-R 本山哲/B.トレルイエ 1:56'36.729
2 32 EPSON NSX L.デュバル/平中克幸 +18.490
3 1 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 +35.781
4 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン +47.340
5 22 MOTUL AUTECH GT-R M.クルム/柳田真孝 +47.637
6 3 YellowHat YMS TOMICA GT-R R.クインタレッリ/横溝直輝 +50.145
7 18 TAKATA 童夢 NSX 道上龍/小暮卓史 +51.443
8 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー +56.749
10 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田次生/S.フィリップ +1'07.445
16 24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 8LAPS
【シリーズポイント】 ドライバーズランキング(第8戦終了時点)
PosNoMachineDriverPoints
1 23 XANAVI NISMO GT-R 本山哲/B.トレルイエ 74
2 18 TAKATA童夢NSX 道上龍/小暮卓史 60
3 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー 59
4 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン 57
5 22 MOTUL AUTECH GT-R M.クルム/柳田真孝 57
6 1 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 49
7 12 カルソニック IMPUL GT-R S.フィリップ 41
8 12 カルソニック IMPUL GT-R 松田次生 41
9 100 RAYBRIG NSX 井出有治/細川慎弥 41
10 35 宝山 KRAFT SC430 P.ダンブレック/片岡龍也 40
11 3 YellowHat YMS TOMICA GT-R R.クインタレッリ/横溝直輝 39
12 32 EPSON NSX L.デュバル/平中克幸 35
13 24 WOODONE ADVAN Clarion GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 34

以 上