NISSAN GT-R、2位表彰台で選手権連覇に王手

SUPER GT第8戦レースレポート

10月18日 オートポリス国際レーシングコース(大分県)
オートポリスで行われたSUPER GT第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」で、予選3位で決勝レースをスタートした「MOTUL AUTECH GT-R」(#1 本山哲/ブノワ・トレルイエ)が前回に引き続き2位に入賞。シリーズ連覇に向け、ランキング首位で最終戦(11月8日、ツインリンクもてぎ)に臨むこととなった。

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最も重いハンディキャップウェイトを積んだ#1 GT-Rは、トレルイエがファイトあふれるアタックで予選3位のポジションを獲得。NISSAN GT-Rにとって相性が良いオートポリスで、2列目から決勝レースをスタートした。決勝日は晴天となったが、標高の高い阿蘇外輪山に位置するオートポリス周辺は午後になっても気温がなかなか上がらず、路面温度も低いまま午後2時の決勝スタートを迎えた。#1 GT-Rはトレルイエがスタートを担当、序盤は後続の#36 レクサスSC430に先行を許したが、その後は安定したラップタイムを刻み4位を維持した。その後23周目に本山にドライバー交代。路面コンディションにあったタイヤに交換して本来のペースを取り戻し、各車がピットインを終えたあとの39周目には3位に浮上。1位・2位を走る2台のSC430を追って、さらにペースを上げた。一時10秒近くあった首位との差を徐々に詰め、終盤には3秒以内にまで縮めることができた。さらに2位を走るSC430が脱落したため、最終的には首位に2.9秒差の2位でチェッカーフラッグを受けた。これにより#1 GT-Rは今季2勝、2位2回を達成し、選手権ポイントでは本山が3位の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組に5点差をつけて首位を維持。チームポイントでも2位に6点差をつけてリードしている。

今季初めてスタートドライバーをつとめた「HIS ADVAN KONDO GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)の荒は、予選11位からのスタートながら第一コーナーで10位に浮上。3周目には9位となった。前半はこのポジションを守ってレースを折り返し、タイミングよくオリベイラに交代。各車がピットインを終えた39周目には5位に浮上し、さらに40周目には4位へと順位をあげた。その後、選手権上位を狙うライバル達に激しく攻められたが、隙を見せずに順位を維持。終盤には上位車の脱落によって表彰台圏内の3位に上がり、後続を抑えてレースを終えた。

予選9位からレースをスタートした「HASEMI TOMICA EBBRO GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/安田裕信)は、タイヤが路面に合わずペースがあげられないため、早くも11周目にピットインしてタイヤ交換。その後は順調に走行し一時5位を走行したが、39周目に安田にドライバー交代するため再度ピットイン。9位でレースに戻り、終盤8位に順位を上げた。

予選2位から決勝レースをスタートした「IMPULカルソニックGT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)は、松田がスタートドライバーを担当。スタート直後に3位になったものの、序盤はそのまま力強いドライビングを見せた。しかし、27周目にピットインしてフィリップに交代したのちGT300車両と接触したため、サスペンションにダメージを受け、レース続行が不可能に。ピットガレージにマシンを引き入れ、リタイヤとなった。

■ニスモ監督 鈴木豊のコメント
「序盤は1号車のタイヤの消耗が予想以上で、早めにピットインすることになりました。しかし後半は本山がしっかりタイヤをセーブして走ってくれたので良い展開になったと思いますが、追いつけなかったのは悔しいです。最終戦を前にもっとポイント差を広げておきたかったのですが、もてぎではハンディウェイトなしの勝負だし、今回改良した空力性能の効果が出せそうです。エキサイティングなレースがお見せできると思いますので、ファンの皆様には引き続き応援をお願いいたします」

■#1 GT-Rドライバー 本山哲のコメント
「みなさん、応援ありがとうございました。一生懸命追いかけましたが、2位という結果は少し残念です。ただ、内容的には素晴らしい2位だったと思います。ブノワはもちろん、チームの全員で頑張った結果だと思うので、最終戦の勝負も是非楽しみにしていてください。」

■#1 GT-Rドライバー ブノワ・トレルイエのコメント
「まだ選手権ではリードしているので、今回も素晴らしい結果だったと思います。もてぎは良いターゲットです。アドバンテージをもっているので、タイトル獲得には自信があります。最後まで積極的に頑張ります。」

【総合結果】 65Laps
PosNoMachineDriverTime / Behind
1 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー 1:57'37.259
2 1 MOTUL AUTECH GT-R 本山哲/B.トレルイエ +2.910
3 24 HIS ADVAN KONDO GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 +36.242
4 8 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 +36.430
5 18 ROCKSTAR 童夢 NSX 道上龍/小暮卓史 +37.968
6 100 RAYBRIG NSX 井出有治/細川慎弥 +38.656
7 35 KRAFT SC430 石浦宏明/大嶋和也 +50.038
8 3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R R.クインタレッリ/安田裕信 +1'42.045
9 32 EPSON NSX L.デュバル/中山友貴 1Lap
10 6 ENEOS SC430 伊藤大輔/B.ビルドハイム 1Lap
11 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン 6Lap
12 39 DUNLOP SARD SC430 アンドレ・クート/平手晃平 7Lap
  12 IMPUL カルソニック GT-R 松田次生/S.フィリップ  
【シリーズポイント】 ドライバーズランキング(第8戦終了時点)
PosNoMachineDriverPoints
1 1 MOTUL AUTECH GT-R 本山哲 78
2 1 MOTUL AUTECH GT-R B.トレルイエ 73
3 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー 73
4 8 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 61
5 3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R R.クインタレッリ/安田裕信 49
6 18 ROCKSTAR 童夢 NSX 道上龍/小暮卓史 49
7 24 HIS ADVAN KONDO GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 48
8 35 KRAFT SC430 石浦宏明/大嶋和也 42
9 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン 41
10 17 KEIHIN NSX 金石年弘/塚越広大 40
11 12 IMPUL カルソニック GT-R 松田次生/S.フィリップ 32

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上