日産自動車、国際連合大学高等研究所と生態系および生物多様性に関するレポートを発行

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は12日、同社の中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2010」に基づく取り組みとして、国際連合大学高等研究所(神奈川県横浜市西区 所長:ゴヴィンダン パライル)と2007年より推進してきた、生態系および生物多様性と自動車セクターとのかかわりに関する共同研究の成果がこのほどまとまったと発表した。本研究成果はレポートとして発行されるほか、同日より日産のWEBサイト上で公開する。

本共同研究は、生物多様性が保全されることで自然が社会にもたらす価値(生態系サービス)に焦点を当て、自動車ビジネスのバリューチェーン全体を通してどれだけ生態系サービスに依存し、また影響を与えているかを明らかにすることを目的としていた。具体的には、国連のミレニアム生態系評価(MA)に基づき、世界資源研究所(WRI)が世界経済人会議(WBCSD)とメリディアン・インスティテュート(MI) との協力のもとに作成した「企業のための生態系サービス評価(ESR)」 の手法を用い、材料資源の採掘から車両生産、車両走行などといった幅広いバリューチェーンを対象に評価を実施しており、自動車メーカーとして優先すべき重点として「エネルギーの調達」「材料資源の調達」「水資源の利用」の3領域を特定している点が特徴である。

生物多様性は、1992年国連環境開発会議において、気候変動と並ぶ重要な地球環境問題と位置づけられ、生物多様性条約のもと、締約国ごとにさまざまな取り組みが進められている。10月18日から愛知県名古屋市で開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)では「ビジネスと生物多様性」が議題の1つに挙がっており、民間企業による生物多様性保全への参画促進が期待されている。日産は今後、本研究を通じて明らかになったビジネス上のリスクとオポチュニティを鑑み、企業に不可欠である石油消費量の削減と代替エネルギーへの転換、材料資源採掘量の削減および水資源使用量の削減といった課題に戦略的に取り組んでいく。

本レポート掲載URL:
http://www.nissan-global.com/JP/ENVIRONMENT/SOCIAL/BIODIVERSITY

以 上