NISSAN GT-R、JAFグランプリを大いに盛り上げる

FUJI SPRINT CUPレースレポート

11月14日 富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)
初めての試みとなるSUPER GTとフォーミュラ・ニッポン合同の特別レース、「JAFグランプリFUJI SPRINT CUP 2010」が11月12日〜14日に富士スピードウェイ(一周約4.7km)で行われた。金曜日に公式予選を行い、土曜日と日曜日の二日間でそれぞれGT300、GT500、フォーミュラニッポンの決勝レースをそれぞれ1回ずつ行う日程となっており、SUPER GTそれぞれのレースはドライバーがひとりで22周のスプリントレースを走るというもの。スタート形式も通常のローリングスタートではなく、スタンディングスタート形式が採用された。

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【第一レース】
初めて行われたスタンディングスタートではクラッチミートのタイミングを外したマシンが出遅れ、早くも順位が大きく入れ替わる波乱があった。3番グリッドからスタートした#12「カルソニックIMPUL GT-R」のロニー・クインタレッリは、3位をキープして1周目を終える。予選12位の#23「MOTUL AUTECH GT-R」のブノワ・トレルイエは、スタートに失敗したクルマをすり抜けてロケットスタートを決め、オープニングラップだけで7つポジションを上げ、5位で1周目のコントロールラインを通過。しかしその後車両のバランス悪化に苦戦。一時8位にまで順位を落とすこととなった。8番手からスタートした#24「HIS ADVAN KONDO GT-R」の安田裕信は、1周目に6位になると、序盤は様子を伺い、レースが折り返してから反撃を開始した。10周目に2台をパスして4位となると、#18 HSVとのファイトあふれる攻防戦でグランドスタンドを沸かせた。

後半パフォーマンスを取り戻したトレルイエの#23 GT-Rは、11周目に7位、13周目に6位へと順位を上げ、19周目には#18 HSVをとらえて5位へとポジションアップ。トレルイエ持ち前のアグレッシブなドライビングスタイルがひときわ光った。クインタレッリの#12 GT-Rは、後続がつけ入る隙を見せず、3位をキープして初のSPRINT CUP 22周レースを終えた。

【第二レース】
GT500レースは、#23 GT-Rが本山哲、#12は松田次生、#24はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが22周の決勝レースを走ることとなった。曇りで気温は16度だった。ポールポジションの#12 GT-Rの松田はスタンディングスタートでやや出遅れ、#6 SC430に先行を許してしまう。その後は、総合優勝を目指してポジション防衛を目指したが、レース折り返し直前の9周目に4位に順位を落としてしまう。そして、タイヤが厳しくなった終盤には5位となってレース終了を迎えた。6番グリッドからスタートした#24 GT-Rは、スタート直後の混乱をすり抜けて3位に躍り出たものの、3周目に5位、7周目には6位に。接戦の今回は、他のマシンと接触をも辞さないファイトでコーナーを攻め続けたが、ついには最終周の最終コーナーで#1 SC430を押し出す形となってしまい、それによって30秒加算のペナルティを受けた。

#23 GT-Rの本山は、9位からスタートし、オープニングラップで10位に。前日のトレルイエ同様、前半は思うようにパフォーマンスが発揮できなかった。しかし、9周目には一気に2台を抜き、さらに上位進出のチャンスをうかがった。その後、残念ながら巻き返されて8位となり、最終周に繰り上がって6位でレースを終えた。

GT300レースは、初日に6位、二日目は2位に入った「TOMICA Z」(星野一樹/柳田真孝)がJAF グランプリ総合2位に認定された。このほか、往年のトップドライバー20名によるレジェンドカップなどサポートイベントも用意され、週末の三日間合計の観客数は65,500名と発表された。

【ニスモ鈴木豊監督のコメント】
「第二レースのスタートでクラッチを傷めてしまいました。その後もクラッチが滑り気味で序盤の2〜3周は本来のパフォーマンスが出せずに、出遅れてしまいました。本山がクラッチをクールダウンして、うまいこと復活させてくれたので、その後はいいペースで走れるようになりましたが、安定はしていませんでした。今シーズンは出だしで後れを取ってしまいましたので、シーズンオフの間にこの反省点をしっかり整理し、対策をしていきたいと思います。来シーズンは皆さんの期待に応えられるよう頑張ります。1年間、本当にありがとうございました。来年もぜひ今年と変わらぬ声援をよろしくお願いします」

【RACE 1 結果】 22Laps
PosNoMachineDriverTime / Behind
1 38 ZENT CERUMO SC430 R.ライアン 35'31.508
2 17 KEIHIN HSV-010 塚越広大 +4.893
3 12 カルソニックIMPUL GT-R R.クインタレッリ +7.221
4 24 HIS ADVAN KONDO GT-R 安田裕信 +8.552
5 23 MOTUL AUTECH GT-R B.トレルイエ +9.198
6 32 EPSON HSV-010 中山友貴 +15.407
7 18 ウイダーHSV-010 L.デュバル +15.453
8 35 MJ KRAFT SC430 石浦宏明 +16.410
9 8 ARTA HSV-010 井出有治 +39.897
10 39 DENSO DUNLOP SARD SC430 A.クート +1'32.290
【RACE 2 結果】 22Laps
PosNoMachineDriverTime / Behind
1 6 ENEOS SC430 伊藤大輔 35'41.146
2 35 MJ KRAFT SC430 大嶋和也 +0.837
3 18 ウイダーHSV-010 小暮卓史 +1.451
4 32 EPSON HSV-010 道上龍 +2.397
5 12 カルソニックIMPUL GT-R 松田次生 +11.030
6 23 MOTUL AUTECH GT-R 本山哲 +13.635
7 1 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一 +24.112
8 39 DENSO DUNLOP SARD SC430 平手晃平 +24.905
9 100 RAYBRIG HSV-010 伊沢拓也 +32.181
10 24 HIS ADVAN KONDO GT-R J.P.デ・オリベイラ +41.074

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上