Nissanデルタウイングが2012 Best of What's Newに選出

米・ポピュラーサイエンス誌が日産の軽量化、高燃費レースカーの革新性と能力を評価

ポピュラーサイエンス誌が2012年12月号で発表した「2012 Best of What's New」の製品・革新技術のひとつに、Nissanデルタウイングが選ばれました。この賞では12分野に渡り、優れた成功を収めた革新技術100点が選ばれています。

Nissanデルタウイング

Nissanデルタウイング

Nissanデルタウイングは、この夏に行われたフランスのル・マン24時間でデビュー。最も革新的なモータースポーツ技術として注目を集めたこのレースカーは、通常のル・マン参戦車両に比べて、車重、馬力、エアロダイナミクスが半分に抑えられています。このため、Nissanデルタウイングが必要とする燃料も、ル・マンを走る通常のプロトタイプマシンのわずか半分に過ぎません。

フロントタイヤ幅が4インチ(約10cm)と従来の形に全くとらわれない仕様を持つNissanデルタウイングの車重は、575kg。時速200マイル(約320km)に到達するために、ル・マンに参戦するレースカーの場合、600馬力を要しますが、Nissanデルタウイングが必要とするパワーは、高級ファミリーセダン程度です。

日産グローバルモータースポーツディレクター、ダレン・コックスは「Nissanデルタウイングの当初の目標は、かの有名なル・マン24時間を、現在のスポーツプロトタイプ車両が必要とする半分の燃料、タイヤで参戦することにありました。今回、ポピュラーサイエンス誌が評価したことで、Nissanデルタウイングがまさに他とは違うのだということが証明され、レース界に向けてのこの革新的な提言が注目を集め続けていることを、うれしく思います」

ポピュラーサイエンス誌の編集長、ヤコブ・ワードは「25年の間、ポピュラーサイエンス誌は、世間を驚かせてきた革新技術を讃えてきました。そのような革新技術は、世間にポジティブなインパクトを与え、将来、何が可能となるのかという我々の思いに挑戦するものです。この「Best of What's New」に選出されることは、本誌最高の名誉であり、何千点にも及ぶ候補作品の中から選ばれた100点は、各分野の革命児なのです」

「Nissanデルタウイングが成功した主な要素のひとつは、非常に先進的で効率的なNissan1.6エンジンにあります」とコックスは付け加えます。「このプロジェクトが進行している間、我々のエンジニアはハイパフォーマンス、高効率エンジン、さらには究極のエアロダイナミクス、最新鋭の軽量技術、そして全く新しいシャシーダイナミクスについて多くを学びました。これらはすべて、現在の量産車の開発にとって重要な要素です。日産はこのプロジェクトに取り組むことで、我々の研究開発を加速させることができました」

10月には、このNissanデルタウイングが初めて実戦を完走。米国ジョージア州のロードアトランタで行われた1000マイルのプチ・ル・マンレースで、42台の耐久マシンの後ろからのスタートとなったにも関わらず、総合5位でのフィニッシュを果たしたのです。

この革新的なレースカーをひとめ間近で見たいという要望に応え、Nissanデルタウイングは、11月30日-12月9日、ロスアンゼルス・コンベンションセンターで行われるロスアンゼルスオートショーに、初めてのショー出展を行い、公の場に登場します。

ポピュラーサイエンス誌について
1872年に創刊した米国のポピュラーサイエンス誌は、世界最大の科学・技術専門誌です。発行部数は130万部、月間読者数は680万人にも及ぶこのポピュラーサイエンス誌は毎月、科学と日常生活との共通点を取り上げ、常に新しいもの、そしてその理由について目を向けています。ポピュラーサイエンス誌は、スウェーデンのボニアーコーポレーションの子会社、ボニアーアクティブメディアが発行しています。

<関連情報>
「日産モータースポーツ」サイト

以 上