ブランパン耐久シリーズで、日産が年間チャンピオンを獲得! 2015年ブランパン耐久シリーズ第5戦

ブランパン耐久シリーズで#23 Nissan GT-R NISMO GT3に乗るアレックス・バンコム(英)、千代勝正、ウォルフガング・ライプ(ベルギー)は、プロクラスドライバーチャンピオンシップを制しました。シーズン最終戦のドイツ、ニュルブルクリンクでのレースを3位でフィニッシュし、世界でも知られるGTレースの年間チャンピオンを手にしました。

日産は2009年に、GT4ヨーロッパ選手権のチームタイトルと2013年にブランパン耐久シリーズのプロアマクラスのタイトルを得ています。2015年、日産GTアカデミーチームRJNはプロクラスのタイトル獲得を目指し、プロクラスデビューの今シーズンでそれを達成することができました。

日産のドライバーたちは今回もベストを尽くしました。バンコムが全体の2番手で予選を終え、#23GT-Rは、フロントローからのスタートとなりました。ゲイタン・パレトウ(仏)は、プロアマクラスのポールポジション、総合8位のグリッドをとりました。

決勝のシグナルがグリーンになると、予選3番手の#173Always Evolving Nissan GT-Rのクレイグ・ドルビーはインへ飛び込みレースをリードします。千代はグリッドの外側のラインをとり、ベントレーの1台に押されながらも、4位で一周目を終えました。姉妹車の#22はティンクネルが10位で走行を重ねました。

千代はいち早く3位に上がり、2位のランボルギーニのうしろにつこうとしていましたが、なかなか3位の車両を追い抜くことができませんでした。ランボルギーニがちょうど開始1時間のところでピットに入った際に、千代は、後続のメルセデスを引き離しにかかりました。

不運なことにハリー・ティンクネルの運転する#22GT-Rは、スロットルに問題を抱え、最終的に、フェラーリに後ろから追突されピットウォールにぶつかり、レース開始1時間をむかえることなくレースを終えました。2014GTアカデミー勝者のゲイタン・パレトウ(仏)とリカルド・サンチェス(メキシコ)はこの日出走することなく、レースを終えました。

「僕のGTレースデビューはとても残念なものになってしまいました」とティンクネルは言います。「初めてこのマシンを運転したのが昨日でしたが、とても良い状態でした。今日も昨日と同じくクラストップグループでの走りを楽しみにしていましたが、一瞬のうちにピットウォールに当たってしまいました。ゲイタンとリカルドはこの週末とても速く、プロアマクラスで勝てる速さをもっていましたが、そうはなりませんでした」と悔やみました。

一方、プロクラスの千代は、ちょうど1時間経過したところで、ピットに入り、2012年のGTアカデミー勝者、ウォルフガング・ライプにステアリングを託します。RJNのチームクルーによるすばやいピット作業で、「ウォルフィー(ライプ)」をリードを保ったままコースに復帰させ、彼は安定した走行を続けました。

アレックス・バンコムが最後のスティントを担当し、チェッカーまでGT-Rを運ぶことになりました。これは単純なことではなく、バンコムは年間チャンピオン争いの直接のライバル#7ベントレーを背後に従え同時にピットアウトし壮絶な戦いをむかえることになったのです。日産にとっては永遠のように長く感じられる時間でした。チームはバンコムがベントレーのスティーブン・ケインの果敢なオーバーテイクを必死にブロックする姿を何度も見せつけられました。バンコムは終盤でベントレーにポジションを明け渡しますが、ベントレーが年間タイトルをとるためには、はるか先のトップにいるマクラーレンを抜き、このレースで優勝しなければなりませんでしたが、それは叶いませんでした。

素晴らしい走りをしたアレックス・バンコムは3位でフィニッシュし、チャンピオンを決めました。
「ベントレーを僕の後ろでおさえておかないといけないと思っていたので、年間タイトルをとったことはわかりませんでした。今は信じられない気分です。日産とRJNとここまで来るのに一生懸命やってきましたし、おそらく人生で最高の日でしょう。(息子が誕生した時を除けば!)」とバンコム。続けて、「間違いなく、人生で一番大変なスティントでした。『行け!(GO) 』という言葉をプレッシャーに感じました。ずっとベントレーをおさえこみ、#1アウディ―に対しても同じように抑えなければなりませんでした」

最初のスティントを担当した千代はレースを終えてこう語っています。
「たくさんの応援ありがとうございました。信じられない様なレースでした。チャンピオンになりたいとチーム全員が強く思い、それを実行して、達成した、この喜びは言葉に出来ません。まずは本当にチームと関わるすべての皆様に感謝したいです。本当にありがとうございました。ヨーロッパに挑戦して2年目、苦しい時もたくさんありましたが、本当に挑戦して良かったと思いますし、このチームと一緒に戦う事が出来て、本当に良かったです」

「ドライバー、エンジニア、メカニック、世界中から集まってくれた面々が本当にグローバルに関わってくれたことをとても誇りに思います」とニスモのグローバルヘッドオブブランド・マーケティング&セールス、ダレン・コックスは言います。「この年間タイトルは、日産、ニスモ、GTアカデミーそしてRJNの長年の強いパートナーシップで、共に大きな成功に向けて努力を重ねてきた成果だと心から思います」

<関連情報>
「日産モータースポーツ」サイト

以 上