金子 晃 NISMOチーフ・ビークル・エンジニア メッセージ

金子 晃

“R”の証明。

今年の2 月26 日、NISMO 新本社のオープニングセレモニーにおいて、社長のゴーンから「GT-R NISMO を一年以内に発売する」という発表をしました。
私はこれまで、NISMO CVE として、ジューク NISMO、370Z NISMO (フェアレディZ NISMO)、マーチ NISMOの開発を担当し、世の中に送り出してきましたが、「GT-R NISMO」はこれらのNISMOシリーズの頂 点に位置するクルマです。日産/ニスモの開発チームは、お客さまから寄せられる「GT-R NISMO は、一 体どのようなクルマなのか」「どれくらいのパフォーマンスを発揮するのか」という期待をひしひしと感じながら、 この「GT-R NISMO」の開発を進めてきました。

1984年に日産ワークスとしてNISMOが誕生して以来、GT-Rは常に日産のモータースポーツ活動の中心で した。そのNISMOのバッジを装着した「GT-R NISMO」は、NISMOならではのレーシングテクノロジーの DNAを凝縮しています。

例えば、「GT-R NISMO」の空力デザインは、スーパーGT マシンを手掛けたエンジニアが担当し、その空力 ノウハウを惜しみなく注ぎました。その結果、300km/h で走行中に基準車に対して+100kg という強大なダ ウンフォースを発生させます。そして、「NISSAN GT-R NISMO GT3」にも使われている高効率大容量の 専用ターボチャージャーを搭載し、最高出力600PS を発生させるエンジンを開発し、2012 年に参戦したニ ュルブルクリンク24 時間レースの経験から、リヤサスペンション取り付け部周辺の結合剛性を向上した高精 度・高剛性ボディに、さらに構造用接着剤で剛性を向上したボンディングボディの開発も行いました。さらに コーナリング性能を大幅に高めるサスペンションの専用チューニングや専用カーボンバックバケットシートの 開発など、すべてにNISMO ならではのワークス直系テクノロジーを採用しています。

また、コックピットにはNISMO のアイデンティティである随所にレッドをあしらったデザインを採用し、見る、触 れる、走る、あらゆる瞬間でお客さまが高質感を感じていただけるような演出を施しています。

この「GT-R NISMO」は、GT-R の「R」のパフォーマンスを際立たせたモデルとして、GT-R の新しいパフォー マンスを提案しています。その性能を示す一つの指標として、ニュルブルクリンクでのタイム計測を行いまし た。「GT-R NISMO」は、NISMO のレーシングテクノロジーやノウハウをフルに活用した、ニュルブルクリンク を速く走るための専用の装備を装着し、ニュルブルクリンクにおいて7 分08 秒679 という量産車最速のタイ ムを記録しました。これまでのGT-R の記録を約10 秒上回る記録です。

そして、このタイムを記録した「GT-R NISMO」が装着していた装備は、今後オプションとして販売することを 予定しています。お客さまは、このタイムを記録した仕様と全く同じ仕様の「GT-R NISMO」にお乗りいただく ことができるのです。

NISMO シリーズのフラッグシップとなる「GT-R NISMO」。
私は、最新、最上のGT-R とNISMO のレーシングテクノロジーが融合して生まれた究極のパフォーマンスを 是非、お客さまにご体感いただきたいと思っています。

 

NISMOチーフ・ビークル・エンジニア
金子 晃