日産自動車、飲酒運転の根絶に向けて飲酒運転防止コンセプトカーを開発

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は、飲酒運転の根絶に向けた取り組みの一環として、飲酒運転を防止する様々な機能を搭載したコンセプトカーを開発した。今後、本コンセプトカーを使った技術開発及び検証実験を進めていく。

飲酒運転によって引き起こされる事故は、年々その深刻度を増しており、同社は飲酒運転の根絶に向けて、ドライバーに「飲酒したら運転しない」よう促し、飲酒運転を防止する機能の開発に積極的に取り組んでいる。エンジン始動時にカーナビ画面へ飲酒運転防止メッセージを表示させる機能の07年6月からの搭載開始に加え、ドライバーの呼気中のアルコール濃度が規定値を超える場合にはエンジンを始動できないようにする装置について自治体と連携してトライアルを開始するなど、様々なアルコール検出手段と警報システムを技術開発している。本コンセプトカーでは、ドライバーに特別な手間を取らせずにクルマがドライバーの状態を検出し、飲酒運転をしている可能性があると判断した場合にドライバーへ警報する。具体的な検出と警報の方法は、以下の通りである。

○センサーよりアルコールを検出
  1. シフトレバーに組み込んだアルコール臭気センサーにより、シフトレバーに触れた手の平の汗に含まれるアルコールを検出する。アルコールが検知された場合、音声とカーナビ画面への表示によってドライバーへ警報し、同時にシフトロックする。
  2. シート周辺に配置したアルコール臭気センサーにより、アルコール臭気を検知する。アルコールが検知された場合、音声とカーナビ画面への表示によって、ドライバーへ警報する。
【シフトレバーアルコール臭気センサー】 【運転席アルコール臭気センサー】
【シフトレバーアルコール臭気センサー】 【運転席アルコール臭気センサー】
○顔画像からドライバー状態を検出

メーター内に装備したカメラによって、ドライバーの顔をモニターし、覚醒度を推定する。居眠り状態等、飲酒運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によって、ドライバーへ警報する。同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。

【カメラ】 【顔画像イメージ】
【カメラ】 【顔画像イメージ】
○車両挙動からドライバー状態を検出

車両の運転挙動を検出し、居眠り、脇見等ドライバーの運転状態を評価し、飲酒運転の可能性があると判断した場合、音声とカーナビ画面への表示によって、ドライバーへ警報する。同時にシートベルトを巻き上げる等して、より強く警報を行う。

【システム構成】

【システム構成】

日産は交通事故のない安全なクルマ社会を目指し、2015年までに、日産車がかかわる死亡・重傷者数を半減させる(1995年比)という目標を掲げ、安全なクルマづくりを推進している。また、クルマそのものの安全性能を高めるだけでなく、ITS*やクルマを取り巻く交通環境の情報を活用して交通事故の低減を目指す取り組み(SKY PROJECT等)や、ドライバーを始めとした「人」の安全意識を向上させるための啓発活動など、真に安全なクルマ社会の実現のため、様々な角度から幅広く取り組んでいる。今後、飲酒運転根絶に向けても、継続して積極的に取り組んでいく。

*:Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム

以 上