金融商品取引法違反に関する第一審判決について

本年3月3日、当社は、東京地方裁判所から、金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)により、罰金2億円(求刑:罰金2億円)に処するとの有罪判決を受けました。

 

2019年9月9日付け広報発表「元会長らによる不正行為に関する社内調査報告について」でお知らせしたとおり、カルロス・ゴーン並びにグレッグ・ケリーの両名が、共謀の上、当社の有価証券報告書に、カルロス・ゴーンの報酬額を過少に記載していたことは、当社がこれまでに実施してきた内部調査において判明していたところです。

また、金融庁からも、これと同じ事実関係が認定された上で、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書を提出したものとして、2020年2月27日付けで、当社に対する課徴金納付命令の決定がされています。

そのため、当社は、両名の行為が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)に該当すること、したがって、当社もまた同法に基づく両罰規定により処罰されることは、いずれも否定する余地のない事柄であると受け止め、今回の判決を待つことなく、社内の意識改革並びにガバナンス改善等の再発防止に努めて参りました。

 

当社は、今回の判決において、カルロス・ゴーンにかかる未払い報酬の実在と、ゴーンの指示の下、ゴーンの役員報酬額が有価証券報告書上で過少に虚偽記載された事実が、いずれも証拠に基づいて認定されたことは正当な御判断だと重く受け止めております。

他方で、これら一連の犯行のうち、グレッグ・ケリーの故意並びに共謀を認めるに当たり、証人の証言の信用性を十分補強できるだけの客観的な裏付け証拠がないと判断された年度があることについては予想外でした。

 

いずれにせよ、当社は、当社に対する今回の判決を厳粛に受け止め、判決の主文並びに理由として述べられた事項を慎重に検討した結果、今回の判決に対する控訴を行わないことを決定いたしましたので、お知らせいたします。

なお、検察官が、当社に対する有罪判決に対し、刑事訴訟法が定める控訴期間内に控訴しない場合、当社に対する判決は確定することとなります。この場合、2020年2月28日付け適時開示「金融庁による課徴金納付命令の決定について」でお知らせした当社に対する課徴金納付命令決定のうち、今回の刑事裁判と同一事件に係る部分(課徴金10億1864万5000円)については、金融商品取引法第185条の8第6項の規定に基づき、今回の判決による罰金額を控除した額に変更する処分が行われる見込みです。

 

当社は、これまでに判明したゴーンらの不正行為は金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)に留まらないことをも踏まえ、これらの一連の不正を許してしまったことを深く反省し、引き続き、二度とこのような不祥事を許さぬよう、ガバナンス改善や社内の意識改革を通じた再発防止を全社に根付かせて参る所存です。

 

以上