中間期連結営業利益が過去最高の1,870億円に

日産リバイバル・プランの大幅な進捗が奏効


 日産自動車は本日、発表後2年が経過した日産リバイバル・プラン(以下:NRP)の進捗報告会見を実施した。 NRPは計画を上回るスピードで進んでおり、公約通り大幅な収益改善が図られている。2001年度上期の連結営業利益は、前期比39%増の1,870億円(15.6億ドル、17.3億ユーロ)となる見込みで、3半期連続で半期の最高記録を更新し、売上高営業利益率は6.2%を達成する見込みである。さらに2001年度上期において、自動車事業実質有利子負債残高は1,490億円(12.4億ドル、13.8億ユーロ)減少し8,040億円(67.0億ドル、74.4億ユーロ)に、当期利益は2,300億円(19.2億ドル、21.3億ユーロ)、売上高当期利益率は7.5%以上となる見込みである。1999年10月18日のNRP発表以降、日産は事業基盤の強化に向けた着実な取り組みを行ってきたが、それをさらに強固なものとする為、2002年度には13の新型モデルを市場に投入する予定である。

 「NRPは、商品企画、ブランド力、将来への投資、コスト削減及び資産売却の章から成り立っている一冊の本である。業績にプラスとなる影響を与え始める時期は各章毎に様々だが、NRP開始当初からそれぞれを皆同時に、且つ集中して実施してきた。」とゴーン社長は語った。日産は徹底したコスト削減を継続して行っている。購買コスト削減は、順調に進んでおり、今年度末までに18%以上のコストダウンを実現する見通しである。また、2001年3月末の国内3工場での車両生産中止による生産体制の再編成、及び国内販売体制の改善からも上期の利益が生まれている。更にゴーン社長は次の様に付け加えた。「瀕死の状態からたった2年、NRPの中間点で日産は業界内で最も高いレベルの業績をあげるグローバルプレーヤーになりつつある。」

 売上高が横ばいであるにもかかわらず、日産は過去最高の営業利益を記録する見込みである。また販売面では、2001年度上期の当社のグローバル販売台数(小売)が、前年の133万7,000台から3.8%減少し、128万6,000台となった。日本では、2000年度上期実績33万5,000台から2.1%増加し、34万2,000台であった。

 米国では40万6,000台から14.0%減少の34万9,000台であったが、カナダでは7.4%増加し、2万7,000台から2万9,000台となった。欧州では、前年販売実績28万9,000台から5.5%減の27万3,000台となった。その他の海外一般市場全体での販売台数は、メキシコで14.1%増加、全体でも前年上期の28万台から4.6%増の29万3,000台となった。

 「今日の市場状況が、変動が少なく将来の予測が容易な状況であれば、収益見通しを上方修正していたであろうが、現在の不透明感により、慎重な見通しを行わざるを得ない。しかし、このような厳しい経済環境下ながらも、今年度通期の営業利益は対前年比20%以上の増益を見込んでいる。」とゴーン社長は述べた。

 そしてゴーン社長は、「2001年度通期の業績見通しについてはこれまで同様、連結営業利益で3,500億円、連結当期利益で3,300億円を見込んでいる。今年度末の自動車事業実質有利子負債残高の目標をこれまでの予想に対し1,000億円低い7,500億円まで引き下げる。」と述べた。

 「NRPには会社再生に向けての2つの重要なミッションがある。一つはこれまで日産に浸透していた思考様式を改革することで、二つ目は日産に対する高い信頼を確立することである。NRPの成果について評価されるのはまだ先のことであるが、周囲の人々が客観的に我々を見ている限り、一抹の不安も抱いていない」。ゴーン社長は会見の中でこのようにも述べた。

 10月24日に開幕する東京モーターショーでは、8種類のコンセプトカーおよび市販モデルを発表する予定で、これらの多くは来年発売される。

 尚、2001年度上期決算報告の東京証券取引所への提出は11月19日に実施する予定である。

以 上

注: 米ドルおよびユーロの換算値は便宜上、120円/ドル、108円/ユーロを使用。