日産とルノー、アライアンスによる初めての共同工場竣工

ブラジルのルノー アイルトン・セナ工業団地

 

ブラジル、パラナ州クリチバ(12月20日) - ブラジルのパラナ州クリチバ、サン ジョゼ ドス ピニャイスのルノー工場内に新たに建設した小型商用車工場の竣工式が、日産自動車のカルロス ゴーン社長兼CEO、ルノーのルイ シュヴァイツァー会長兼CEO、ブラジル連邦共和国副大統領の出席のもと行われた。この新工場は日産とルノーの共同生産計画に基づいて建設された初めての工場であると同時に、日産がブラジルでの現地生産メーカーとなること、またルノーの同地域における自動車事業発展の仕上げとなるものである。新工場は、今月末よりルノー マスターバンを、また2002年5月からは日産フロンティアピックアップの生産を開始する予定である。新工場は初年度には8,200台、長期的には年間40,000台の小型商用車生産を計画している。日産とルノーは本プロジェクトに合計2億3600万USドルを投資している。

これはアライアンスの中で進めているクロスマニュファクチャリング(共同生産)を推進するものである。既に日産のメキシコ工場ではルノー車を生産しており、また日産のスペインの工場では2002年後半から小型商用車を生産し、日産、ルノー、GMヨーロッパに供給する予定である。このクロスマニュファクチャリングの考え方は、日産とルノーのアライアンスの利益ある成長戦略に合致している。それは、一つのマーケットでよりプレゼンスの高い方が、もう一方の発展をサポートし、両社が共により高い成果をあげつつ、それぞれのブランドアイデンティティを保つというものである。ブラジルは2000年の全需が140万台であるが、世界でも成長著しい市場のひとつであると考えている。

日産、ブラジルで現地生産

 

日産は2000年5月29日に、ルノーの協力を得て、長期的にメルコスールで年間150,000台を販売するという成長戦略を発表した。日産は既にフロンティアピックアップとエクステラの投入に向け、1億ドルの投資をコミットしている。

新工場竣工により、日産はメルコスールでのプレゼンスを高めるというアライアンスの枠組みの戦略に沿って、ブラジルで正式に現地生産メーカーとなる。日産は、ブラジルでのフロンティアピックアップとエクステラの生産を通じて、マーケットニーズに積極的に応えると共に、流通コストを削減し、収益向上を図る。尚、ルノーの新工場では、初年度にフロンティアピックアップを4,500台生産する計画である。

2000年10月、日産はブラジルでの新会社、日産ブラジル自動車でのオペレーションを開始した。日産は既に販売面においてブラジル国内に、ルノーのバックオフィスの協力を得て、45拠点を有している。また、アルゼンチンでも同様に、ルノーの協力を得て35拠点を設置している。

日産はフロンティアピックアップとエクステラの投入で数年後には収益を上げることを目標にしているのみならず、ブラジル市場での次のモデルを検討中である。現在のブラジルでのモデルラインアップは、フロンティアピックアップ、マキシマ、パスファインダーである。ブラジルでの2001年の販売台数は、約1,500台を見込んでいる。

アライアンス戦略に沿って、現地のオペレーションは両社のブランドアイデンティティを保ちながら、経理やサービスなどのバックオフィスを共有する。

ルノー、海外事業強化策のひとつを完了へ

 

ルノーはブラジルを国際戦略の重要市場と位置付け、この商用車新工場をもって1998年から始めたブラジルでの事業発展の仕上げとしている。

アイルトン・セナ工業団地は2つの組立工場、パワートレイン工場とサプライヤー地区から成り立つ。ルノーのブラジルでの車両生産台数は、2000年に59,172台、2001年(1~11月末まで)に69,700台となり、エンジン生産台数は2000年に30,000基、2001年(1~11月末まで)には81,500基にのぼる。アイルトン・セナ工場では、メガーヌ、セニック、クリオ(4ドア/5ドア、日本名ルーテシア)を生産している。

新商用車工場の完成に伴い、アイルトン・セナでの生産能力は現在の年間200,000台から240,000台に増加する。2001年12月にはマスターの現地生産も立ち上がり、ブラジルでの商品強化を図る。マスターは欧州で“1998年バン・オブ・ザ・イヤー”に輝き、発表から2001年までの累計販売台数が244,000台(2001年末見込み値)と、欧州小型商用車市場で高い評価を得ている。マスターはカングー、トラフィックと並び、メルコスールでのルノー小型商用車モデルラインアップの一つである。ルノーは西欧小型商用車市場でシェア15%(2001年10月末時点)のトップブランドであり、2001年の全世界販売台数は333,000台(2001年末見込み値)であるが、マスターで商品ラインアップの更なる充実を図る。

ルノーは、わずか3年でブラジルでの地位をインポーターからメジャーな国際自動車メーカーへと上げた。革新的なモデルラインアップと160拠点のディーラーネットワークにより、2001年にはブラジルで全需の伸び率が対前年比9%となる中、32%増の66,937台(11月末時点)を記録した。ブラジルでの乗用車シェアは1999年に2.9%であったが、2001年の1~11月には5.4%を記録、フォードに次いで第5位となっている。

共同生産によるメリット

 

本プロジェクトを共同で実施することにより、日産とルノーはブラジルでの成長戦略を最も効果的に行う。共同生産により、新工場の稼働率アップによるコスト削減効果が期待できる。また、メンテナンス、管理運営、物流などの面で、アイルトン・セナ工業団地の現在のインフラとシナジーも活用することができる。本プロジェクトのグローバルな投資額は2億3,600万USドルにのぼる。建設投資額の6,200万USドルはルノーが負担し、生産モデルに関する投資は両社で負担する。

新工場の建屋は70,000m2を超え、長期的には年間40,000台を生産し、約1,000人の雇用を生み出す。新工場は、フレキシビリティと競争力を併せ持ち、商用車工場に最も適するようにデザインされている。2002年の日産とルノーをあわせた年間生産台数は約8,200台を見込んでいる。

本プロジェクトを共同で実施することにより、日産とルノーはブラジルでの成長戦略を最も効果的に行う。共同生産により、新工場の稼働率アップによるコスト削減効果が期待できる。また、メンテナンス、管理運営、物流などの面で、アイルトン・セナ工業団地の現在のインフラとシナジーも活用することができる。本プロジェクトのグローバルな投資額は2億3,600万USドルにのぼる。建設投資額の6,200万USドルはルノーが負担し、生産モデルに関する投資は両社で負担する。

新工場の建屋は70,000m2を超え、長期的には年間40,000台を生産し、約1,000人の雇用を生み出す。新工場は、フレキシビリティと競争力を併せ持ち、商用車工場に最も適するようにデザインされている。2002年の日産とルノーをあわせた年間生産台数は約8,200台を見込んでいる。

新工場には、ルノー マスターと日産フロンティアピックアップのそれぞれのアセンブリーラインが設置されるが、塗装ラインは共有し、厳しい環境基準をクリアした水系塗料を使用している。また、日産の生産方式を基本にルノーグループで採用されている国際標準のルノー・プロダクション・ウェイに沿った教育と組織作りがなされている。

パラナ州及びその周辺には既に73の部品サプライヤーが稼動しており、工場に部品を供給予定である。これにより、マスターの部品現地調達率は60%に達し、工場ではジャスト・イン・タイム生産方式を採用する。フロンティアピックアップも立ち上がり時には現地調達率60%以上となる見込みである。マスターとフロンティアピックアップのサプライヤーは90%が共通である。これはアライアンスの共同購買戦略と、コスト削減及び効率向上を目指した“ルノーニッサンパーチェシングオーガニゼーション”の意図に沿ったものである。

以 上


ブラジルにおける日産

 

1993年、日本からの輸出車両を現地のディストリビューター経由で販売開始。初期においては、パスファインダーなどの商品を発表、日産のトラック分野における世界的な高い評価をブラジル市場に紹介した。1993年以来日産は、同国内で8,300台以上を販売している。

2000年10月、クリチバにNBA(日産ブラジル自動車)を設立。日産の100%子会社である同社では、約50人のスタッフがルノーとの密接な協力の下、ブラジルにおける全事業のマネージメントを行っている。

NBAはルノーが同市場で培った強みおよび経験を生かし、日産ディーラー網の構築を進めている。2001年末までに、45拠点がブラジルに設立されている。これらの日産ディーラーは、日々の業務を行いながら顧客との関係を構築し、同市場における日産ブランドの確立に努める。ただし、顧客の目に付かないバックオフィス業務などは、ルノー・ブラジルと共同して運営していく。

暦年2001年においては、1,500台の販売を見込んでいる。

ブラジルにおける日産のラインアップ

  • 「マキシマ」 セダン(3リッターV6エンジン)
  • 「パスファインダー」 スポーツユーティリティー(3.3リッターV6)
  • 「フロンティア」ピックアップ(2.5リッター ターボディーゼル)

日産の概要

2001年度(2000年4月1日~2001年3月31日)における全世界での販売台数2,632,000台。1999年10月18日、再建と継続的利益ある成長の為の3カ年計画である日産リバイバルプラン(NRP)発表。2001年10月18日、1,880億円の半期営業利益を発表。これは同社史上最高の結果であり、3期連続で半期の記録を更新した事になる。

NRPの一環として日産は、2000年から2003年までの間に22の新車を順次発表していくと共に、商品、技術および生産分野に投資し利益ある成長の為の基礎を築く。


アイルトン・セナ工業団地
ブラジル、パラナ州サン・ジョゼ・ドス・ピニャイス

 

1995年、ルノーは、従来の強力な拠点であるアルゼンチンに加え、南米最大の自動車市場であるブラジルを同社の国際的成長戦略の出発点とするために同地に進出した。他の成長市場と同様、南米の巨大な市場も景気が非常に周期的に変動する可能性があることは十分に認識した上でのことだった。しかし、指導的なマーケット・プレーヤーを目指すルノーにとっては、ブラジルおよびその周辺市場の高い潜在的成長能力を考慮し、巨額の投資に踏み切ったのである。

パラナ州の協力を得て、ルノーは、クリチバ近郊のサン・ジョゼ・ドス・ピニャイスに250ヘクタールの敷地を購入し、1996年10月、ここに、141,000平方メートルの超近代的な車両組立工場を含む、アイルトン・セナ工業団地の建設を開始した。この工場は1998年11月に稼動を開始し、まずセニックの組み立て、次に1999年11月にクリオ(日本名ルーテシア)2の組み立てを開始した。2000年の生産台数は59,172台、2001年は、11月末時点で69,700台である。同工場の生産能力は年間20万台であり、長期的には年間24万台にまで増強できる。ジャスト・イン・タイム方式を推進するために、工場に隣接した15,000平方メートルの敷地がサプライヤ用に確保されている。

パワートレイン製造ユニットは、1999年12月に生産を開始した。このユニットの年間生産能力は、40万台(1.6 リッターおよび 1.0 リッター・エンジン)であり、ブラジル市場用および南米やヨーロッパにあるその他のルノー・グループへの輸出用のエンジンを生産している。同ユニットではまた、ブラジルのPSAグループ向けのパワートレインも生産している。2000年のエンジン生産台数は3万台、2001年は11月末時点で81,500台である。

ブラジルにおけるルノーの生産拠点に新しい商用車組み立てユニットが加わったことの意義は大きい。

アイルトン・セナ工業団地の従業員数は3,100人、1996年から2001年の総投資額は13億5000万ドル(商用車工場含む)である。同団地は、ルノーおよびルノー・日産の提携関係にとって、ブラジルおよびメルコスール諸国における発展戦略の一つの重要拠点となっている。

ブラジルにおけるルノー車の販売は、160社のディーラーが行っている(2001年11月末時点で66,937台)。