日産自動車、「日産先進技術開発センター」の竣工式を実施

先進技術を搭載した商品ラインアップの更なる充実を標榜する新たな研究開発拠点
日産先進技術開発センター

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は15日、このほど完成した同社の研究・先行開発機能を集約する「日産先進技術開発センター(NISSAN ADVANCED TECHNOLOGY CENTER:NATC)」の竣工式を実施した。

副社長の山下光彦は、「NATCは、先進技術を搭載した商品ラインアップを加速、強化することを目的に設立した。当社は、この拠点の開設を機に、安全で環境に優しいクルマ社会の実現に向けて、先進技術の研究、先行開発に、より一層取り組んでいく。」と語った。

 

日産では、同社の企画や研究開発、先行開発拠点として、既に神奈川県厚木市に日産テクニカルセンター(NTC)、神奈川県横須賀市に総合研究所を有している。

同社は昨年12月に発表した中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム 2010」に基づき、CO2排出量の削減に、真に実効性のある技術と商品を投入していくとしている。今回開設した「日産先進技術開発センター」では、主に同計画に基づいた電動パワートレイン等の環境技術や、同社がSKYプロジェクト等で進めている社会システムとしての先進安全技術、先進車両などの開発を行う。

同社では、今回完成したNATCと、現在進めているNTCのパワートレイン開発機能増強、及び昨年秋にリニューアルした同NTC内のデザインセンターなどの研究開発拠点の改修・増強に、約900億円の投資を行っている。
今回のNATCの開設は、日産が取り組んでいる長期的展望にたった、将来への投資のひとつと位置づけられる。なお、NATCでは、従業員約2,000人が勤務する予定である。

今回開設したNATCは、開発部門内の連携強化だけでなく、大学やサプライヤーの研究者・開発者との連携をより効率的かつオープンに行えるよう設計されている。同建物内には、約200名が収容可能なコラボレーションルームや、全フロアから階下の様子が分かるステップ状のフロア配置、コミュニケーションを重視した建築構造を採用している。
また、電動パワートレイン専用の実験棟や、IT/ITSをはじめとする先進安全技術の開発を行う設備も完備した。

またNATCの建物は、環境面においてもCO2排出量の削減及び省エネルギー化などに取り組んでおり、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)は、最高ランクにあたるSクラスを実現する予定である。

日産は、2009年に本社を横浜市に移転することを発表している。また、横浜市にある横浜工場(エンジン工場)、横須賀市にある追浜工場(車両生産工場)と併せ、NTCの増強や今回のNATC開設により、同社と神奈川県との連携は益々深まり、神奈川県の経済発展に、より一層貢献していくこととなる。

 

 

以 上