日産フォーミュラEチームのドライバーが今シーズンのこれまでを振り返る

フォーミュラE世界選手権のシーズン9は、9戦のレースを終え、折り返し地点を迎えました。日産フォーミュラEチームのドライバーであるサッシャ フェネストラズとノーマン ナトーは、5大陸7都市で行われたこれまでのレースを振り返りました。

 

サッシャ フェネストラズ

Gen3マシンには、どのように適応しましたか?

昨年、初めてGen3マシンをテストしてすぐに、Gen2マシンとは別物だと気が付きました。特にエネルギーマネジメントの点において、自分のドライビングスタイルを新しいマシンに合わせる必要がありました。

 

 

チームには、スムーズに馴染めましたか?

もちろんです。チーム全体の雰囲気は、すごく良いですね。エンジニアのヨハンと私はフォーミュラEでの経験が浅いので、共に学びながら戦っています。またノーマンともオープンな関係で、互いにデータやアイデアを共有し合うことで、すぐに信頼関係を築き上げることができました。これからもチームと協力して、シーズンを通して成功したいと思っています。

ケープタウンでフォーミュラE初のポールポジションを獲得しましたね。感想を教えてください。

実感が湧くまで、数日かかりました。ポールポジションの獲得は、自分自身にもチームにとっても、とても喜ばしいことでした。そして、モナコで再びポールポジションのタイムを記録したことで、自分たちの実力が一過性ではないことを示せたと思います。

初参戦のフォーミュラEで、これまでのハイライトは?

間違いなくモナコ戦です!公式にはペナルティで2番手になりましたが、レーサーにとって特別な歴史あるサーキットで、ポールポジションのタイムを記録できたことは、一番のハイライトであり、ケープタウンで初めてポールポジションを獲得したときよりも印象に残っています。1年前には想像できなかったような戦績を残せて嬉しく思います。

モナコの予選では、準決勝でナトーと対戦しました。そのときの心境は?

正直複雑な気持ちでした。ノーマンと二人で1位と2位のポジションを獲得できればベストでしたが、これがフォーミュラEです。こういうこともありますし、レースが始まれば相手が誰であれ、自分のベストを尽くすことに集中します。それでも、やはりチームメート同士の戦いは少し残念でしたね。

モナコでのランキング上位の選手との戦いはどうでしたか?

モナコはプッシュするタイミングやレースの戦略面において、最も勉強になったレースの一つだと思います。もちろん勝ちたかったのですが、ランキング上位の選手の走りを後ろから観察できたので、自分たちの長所と短所を知ることができました。

 

ノーマン ナトー

Gen3マシンには、どのように適応しましたか?

あらゆる面において、これまでとは違った準備が必要でしたし、技術的にも異なる点が多く、ある意味複雑でした。レースが始まれば、プッシュラップなども同様なのですが、アプローチや戦略を変える必要がありました。

 

 

Gen3マシンは、期待通りでしたか?

パワーはGen2と比べて大きく向上していると感じています。しかし、もっとプッシュしたいときにグリップが足りないですね。まだ伸び代があると感じています。

ハイデラバード、ケープタウン、サンパウロのうち、どのサーキットがお気に入りですか?

インドのハイデラバードです。ターン1は残念でしたが、それ以外は最高で、コース上でのバトルも楽しかったですし、予選から気持ちよく走れました。ブラジルは路面が荒れていてチャレンジングでしたが、フォーミュラEならではのマシンと一体となって戦うレースでした。ケープタウンも素晴らしかったのですが、かなりの高速サーキットで、現在のグリップ力ではマシンを最適に操ることが難しかったですね。

ホームサーキットである、モナコでのレースは特別でしたか?

モナコは本当に特別な場所です。ここで走れたことは、とても嬉しく、夢のようでした。ただ、スケジュールがタイトだったので、できればもっとコース上でモナコを楽しみたかったです。

モナコでの予選を経て、残りのレースに向けて自信はつきましたか?

常に自信はありますよ。ケープタウンやブラジルの予選ではイエローフラッグに見舞われたり、他にもタイヤ戦略のミスなどもありましたが、本来なら上位に食い込めるはずのレースが何度もありました。モナコでは、ベルリンでの厳しい結果から立ち直り、自分たちの速さを証明できましたしね。

シーズン後半戦で上位を狙うために、チームや自分自身に必要なことは何でしょうか?

レース中のエネルギーマネージメントの改善と、2台のマシンのベストを引き出すことだと考えています。これまで私たちは、2人揃ってデュエルに進出したり、2人同時にポイントを獲得したりしたことがありません。これが他チームとの差だと思います。モナコでのレースは、その典型的な例でした。本来の実力を発揮すれば、それができたはずなのです。後半戦でこの課題を解決できれば、チームランキングに大きく貢献できると思います。

 

 

日産 Formula E の概要はこちら Global.NissanNews.com/FormulaEPressKit

 

以上