1999年5月14日
日産自動車株式会社
広報部
富士工場及び自動変速機・無段変速機開発部門の営業譲渡について
当社は、このたび富士工場及び自動変速機・無段変速機開発部門を分離・独立させるため、平成11年6月28日付で当社全額出資によるトランステクノロジー株式会社を設立し、同社に対しその営業を下記のとおり譲渡することを決定いたしました。
記
1.営業譲渡の趣旨
今後の自動変速機(以下「A/T」という)は、CO2削減等の環境規制からくる燃費向上のための新技術として、無段変速機(以下「CVT」という)や多段化A/T等の技術開発・製品化が進行する見通しとなっております。一方、需要は、欧州及び国内軽自動車のA/T比率向上、アジア市場における自動車需要の増加と搭載比率の向上に伴い、2005年時点では300万~400万台/年の拡大が見込まれております。
当社が持つA/T・CVTは世界に誇れる技術水準にあり、需要拡大期を迎えている状況の中で、この技術の優位性を積極的に活かしていくことが重要であると判断しております。
現在、A/Tの商品開発及びFF専用A/T・CVTの生産を主に当社が行い、他社への販売及び車両適用開発とFR用A/Tの生産を主にジャトコが分担しております。
世界における主要なA/T専門メーカーには、ジャトコ・アイシンAW・ZFの三社があり、今後A/Tのビジネスチャンスが拡大することを考慮すると、将来の環境対応に向けた新たな駆動ユニットの開発を加速するとともに、開発技術力と生産技術力のさらなる効率化と機動力を高める体制をとることが、最適の選択であると判断いたしました。
そのため、当社の開発技術力及び生産技術力とジャトコの販売力をひとつにした新会社を設立することを視野に入れ、その第一段階として、当社全額出資の新会社、トランステクノロジー株式会社を設立し、下記のとおり、同社に対し営業譲渡を行うものであります。
2.日程
平成11年5月14日 取締役会(営業譲渡承認)
平成11年6月下旬 営業譲渡承認株主総会
平成11年6月29日 営業譲渡契約書締結
平成11年7月1日 営業譲渡
3.営業譲渡の内容
(1)譲渡部門の内容
・当社の富士工場及びA/T・CVT開発部門
(2)譲渡資産の科目及び金額
平成11年3月31日現在 (単位:億円)
科 目 金額 流 動 資 産 39 固 定 ��� 産 150 資 産 合 計 190
(3)譲渡部門の損益状況(平成11年3月期実績)
(単位:億円)
科 目 金額 出 荷 額 1521
(4)譲渡価額及び決済方法
・流動資産は6月末時点の簿価、固定資産は6月末時点の時価
・現金決済
4.営業譲渡先の概要(予定)
(1)商号 トランステクノロジー株式会社
(2)主な事業内容 変速機及び自動車部品の開発・製造・販売
(3)設立年月日 平成11年6月28日
(4)本店所在地 静岡県富士市吉原宝町1番1号
(5)代表者 取締役社長 石橋 清
(6)資本金 193億円
(7)決算期 3月
(8)従業員数 約3,900名
(9)大株主及び出資比率 日産自動車株式会社 100%
5.土地の譲渡に伴う特別利益の発生について
・土地(面積 約574千�F) 譲渡益(予定) 237億円
[譲渡予定価額 300億円、簿価 63億円]
なお、平成12年3月期の業績予想につきましては、5月21日の決算発表時に公表予定であります。
以 上