日産自動車株式会社による愛知機械工業株式会社の株式交換による完全子会社化について

—中期経営計画「日産パワー88」達成に向けて—

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)及び愛知機械工業株式会社(愛知県名古屋市熱田区、社長:酒井 寿治)は、本日開催の両社の取締役会において、2012年3月22日を効力発効日とする株式交換により、愛知機械工業を日産自動車の完全子会社とすることを決議し、株式交換契約を締結いたしました。

1.「日産パワー88」達成に向けて
日産自動車は、新規の市場とセグメントを含む世界市場での成長を加速させることを主眼に置いた、広範に亘る6カ年の中期経営計画「日産パワー88」を先日発表しました。本計画の重点領域は、事業の地理的拡大とともに、電気自動車と低排出ガス技術を通じた持続可能なモビリティ社会を実現し、全ての人にモビリティを提供することです。
今回の愛知機械工業の完全子会社化は、この「日産パワー88」を達成するための戦略のうち、クオリティの向上、事業の拡大を通じた成長の加速化、及びコスト削減に、大きく寄与することになります。日産グループは、ますます激化する燃費競争の中で、厳しさを増すCO2規制に対応しながら、その性能・品質・コストで他社を凌駕するパワートレインの開発を加速することが求められています。また生産面においては、海外、特に新興各国への事業拡大を進めていくうえで、パワートレインの現地化を含め、各市場の要求にスピーディに対応していくことが今後の課題となっています。中国、インド、ロシア、ブラジル、インドネシアといった新興国市場で同時に事業の展開拡大を目指す為には、まさに今からグループ内の力を結集して取り組むことが必要です。
今回の完全子会社化によって、これらの課題の解決の為に、日産自動車と愛知機械工業の役割分担の見直しやグループ内のリソースの有効活用といった方策を、より迅速に実行に移すことが可能になるものと期待しております。このことから、本件は、日産グループの飛躍のための「日産パワー88」の中期経営計画の目標実現に向けての、重要な一歩であると位置づけています。

愛知機械工業は、1949年の設立以来、1962年の日産自動車との技術提携、1965年の資本参加を含む業務提携を経て、2000年には日産自動車の連結子会社となりました。現在は、日産自動車とルノーが共通の世界戦略エンジンと位置づける小型エンジンについて、一部の開発機能を有する国内生産拠点であると同時に、同エンジンの世界生産展開におけるマザー工場・部品供給拠点として、また、日産グループにおけるマニュアルトランスミッションの唯一の開発・国内生産拠点としてグループの成長に大きく貢献しています。
また、日産自動車のフラッグシップ・カーである日産GT-R用の高性能デュアルクラッチ・トランスミッションの製造を手がけ、さらに長年培ったギヤ加工技術を生かして、電気自動車日産リーフ用の重要部品である減速機も製造しており、先進技術製品の生産機能という役割でもその重要性を高めています。

昨今の自動車業界は、世界経済の不透明化、長期化する円高等、その事業環境が厳しさを増す中で、電気自動車、燃料電池車をはじめとする環境対応車の開発競争がますます激化しています。また従来のガソリンエンジンの性能についても、日々新技術の開発が進み、特に環境の側面での性能が劇的に向上しています。
こうした状況下で愛知機械工業は、従来の国内生産を主としたビジネス領域を拡大し、グローバルなパワートレイン製造会社として世界各国市場のお客様のニーズをいち早く把握してそれを満足するエンジン開発に参画し、海外での生産展開への取り組みを強化することにより競争力を向上し、日産自動車の横浜工場、いわき工場と同様、日産グループ内で重要な役割を果たしていきます。

今回の愛知機械工業の完全子会社化により、日産グループ内で両社一体となり、より高次元な課題に取り組み、迅速なアクションに繋げていくことにより、両社のグローバル競争力を格段に向上させることが出来ると考えています。

2.当該組織再編の要旨

(1)当該組織再編の日程

株式交換契約締結の取締役会決議日(両社) 2011年12月16日(金)
株式交換契約締結日(両社) 2011年12月16日(金)
臨時株主総会基準日公告日(愛知機械工業) 2011年12月17日(土)(予定)
臨時株主総会基準日(愛知機械工業) 2012年1月1日(日)(予定)
臨時株主総会開催日(愛知機械工業) 2012年2月中旬(予定)
最終売買日(愛知機械工業) 2012年3月15日(木)(予定)
上場廃止日(愛知機械工業) 2012年3月16日(金)(予定)
株式交換の予定日(効力発生日) 2012年3月22日(木)(予定)
  1. (注1)本株式交換は、会社法第796条第3項の規定に基づき、日産自動車においては簡易株式交換の手続きにより本株式交換契約に関する株主総会の承認を得ることなく行うものです。
  2. (注2)本株式交換の日(効力発生日)は、両社の合意により変更されることがあります。

(2)本株式交換の方式
日産自動車を株式交換完全親会社、愛知機械工業を株式交換完全子会社とする株式交換になります。本株式交換は、日産自動車については、簡易株式交換の手続きにより実施されます。

(3)本株式交換に係る割当ての内容
  日産自動車
(株式交換完全親会社)
愛知機械工業
(株式交換完全子会社)
本株式交換に係る
割当ての内容
1 0.4
株式交換により
交付する株式数
普通株式:21,184,488株(予定)
3.本株式交換の当事会社の概要
  株式交換完全親会社 株式交換完全子会社
名称 日産自動車株式会社 愛知機械工業株式会社
所在地 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 名古屋市熱田区川並町2番12号
代表者の役職・氏名 取締役社長 カルロス ゴーン 取締役社長 酒井 寿治
事業内容 自動車等の開発・製造・販売 エンジン、マニュアルトランスミッションなどの
開発・製造・販売
資本金 605,814百万円 8,518百万円
設立年月日 昭和8年12月26日 昭和24年5月23日
発行済株式数 4,520,715,112株 90,655,636株
決算期 3月末 3月末
従業員数 (連結)155,099人 (連結)2,247人
当事会社間の関係 日産自動車は、愛知機械工業の発行済株式数の41.43%の株式を保有しており(2011年11月30日現在)、親会社であります。

以 上