「ADバン」をフルモデルチェンジ

2．「ADバン」をフルモデルチェンジ
～平成10年度省エネ大賞受賞の直噴NEO Diディーゼルエンジンを搭載～

ADバンは、発売以来、低燃費による経済性、居住性、及び、実用性を兼ね備えたコマーシャルバンとして、多くのユーザーに支持されてきた。
今回のフルモデルチェンジでは、搭載ユニットの一新、新世代M＆Sクラスプラットフォームの採用を行った他、操作性や視界、取り廻しなどの実用性や内外装の質感の向上、広い荷室の確保による積載性向上を図っている。
エンジンは、平成10年度省エネ大賞(省エネルギーセンター会長賞) ※を受賞した新開発の2.2リッター直噴ディーゼルエンジンNEO Di「YD22DD」、及び、パワフルな走りを実現したガソリンNEO「QGエンジン」シリーズ（QG13DE、QG15DE、QG18DE）を採用、滑らかな変速を実現したオートマチックトランスミッションE－ATxや新開発の小型で軽量な4WDシステム「オートコントロール4WD」との組み合わせなどにより、低燃費と優れた走行性能との両立を実現した。 ※(財)省エネルギーセンター主催の省エネルギー性等に優れた民生用(家庭・業務)の機器・システムを表彰する制度。
また、平成11年度税制改正に伴い、新型「ADバン」は低燃費車として、全車、自動車取得税減税の対象となっている(自家用車登録で15,000円の減額)。
さらにラインナップの充実も図り、4WDガソリン車にオートマチック車を設定した。 環境面では、ディーゼル車全車についてNOx総量規制制度の排出ガス規制をクリアし、またガソリン車全車について排出ガス値を現行規制値の1／10レベルに低減したLEV（Low Emission Vehicle）とするなど、地球環境に優しい、よりクリーンな排気を実現した。
また、さらに環境に優しく、地球温暖化防止に効果的な天然ガス仕様車の追加を2000年初頭に予定しており、低公害コマーシャルバンとして充実したラインアップを完成する。
安全面では、世界トップレベルの衝突安全性能を実現したゾーンボディの全車採用、運転席SRSエアバッグシステムの全車標準装備、助手席SRSエアバッグシステムや運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、ABS、前席アクティブヘッドレストなどの全車オプション設定により、高い安全性を確保している。

＜販売目標台数＞　　　3，000台／月

＜車両概要＞
1．ユニット一新と新世代M＆Sクラスプラットフォームの採用

• 新開発の2.2リッター直噴ディーゼルエンジンNEO Di「YD22DD」は、従来型エンジンに対し、直噴化、4バルブDOHC化、排気量の拡大により、低中速トルクが大幅に向上し、発進・再加速時の高レスポンスをはじめとする優れた動力性能を実現した。また、日産独自の「エムM－ファイアFire燃焼」により、優れた燃費性能とよりクリーンな排気を両立している。
• ストレスのないパワフルな走りを実現したガソリンNEO「QGエンジン」シリーズ（QG13DE、QG15DE、QG18DE）を搭載し、低燃費と快適な走りを両立している。また、このガソリン車については全車、排出ガス値を現行規制値の1／10レベルに低減したLEV（Low Emission Vehicle）としている。
• 小型、軽量の新開発4WDシステム「オートコントロール4WD」を採用した。路面状況や車速に応じて、前後トルクを最適にコントロールする「オートトルクコントロール(ATC)カップリング」を採用するとともに、カップリングのリヤファイナルドライブとの一体化、プロペラシャフトの3ジョイント化、トランスファーの小型化等により、ドライブトレーンユニットを小型、軽量化し、低燃費と高い走行性能を両立させている。
• オートマチックトランスミッションE－ATxを採用した。伝達効率を高めた「E-Flowトルクコンバーター」を採用し、滑らかな変速とレスポンス、優れた低燃費を実現している。
• 新世代M＆Sクラスプラットフォームをベースに、バンに求められる性能確保のための部品変更などを行った上で、コンピューター解析による効果的な車体補強を実施し、車体剛性値についてねじり剛性で従来車比1.8倍、曲げ剛性で1.9倍まで引き上げた。これにより、フラットでしっかりとした乗り心地を実現している。
• 荷室空間を確保しつつ安心感のある操縦安定性となめらかでフラットな乗り心地を両立したリヤマルチリンクサスペンションを4WD車に採用した。
• 4WDガソリン車にオートマチック車を新規設定した。

2．機能的で上質なインテリア

• インストルメントパネル上面からセンターコンソールボックスまでスムーズに傾斜したデザインにより上質感を演出している。また収納ポケットを多数設置し利便性を高めた。
• 全車について、フロントドア及びリヤドアに成形ドアトリムを、またフロントシート地にファブリックを採用するなど、上質なインテリアを実現した。
• ステアリング／シフトノブ／パーキングブレーキレバー／ドアアームレスト／ドアプルハンドルを抗菌仕様とした他、プライバシーガラスをオプション設定とするなど、室内を快適にする様々なインナーグリーン関連装備を採用した。
• ワンタッチ作動時に万一腕などが挟まれた場合、自動的に反転下降する挟み込み防止機構を運転席側のパワーウインドウに採用した。

3．運転のしやすさと優れた積載性

• センタークラスター内の各種スイッチを機能的で操作性に優れたレイアウトとした。
• 従来型車に対し前席ヒップポイント地上高を15mmアップし、快適な視界や運転姿勢を確保するとともに、乗降性を向上した。後席についてもニールームを広くとるなど優れた居住性を実現している。
• パワーステアリングを全車に標準装備とした他、4.6mの最小回転半径（2WDガソリン車）などにより高い小回り性能を確保した。
• リヤホイール上面を平面化するなどホイールハウスの出っ張りを少なくし、多くの荷物を効率良く積める使い勝手の良い荷室を実現した。

4．環境と安全への配慮
＜環境への配慮＞

• 新開発の2.2リッター直噴ディーゼルエンジンNEO Di「YD22DD」<平成10年度省エネ大賞(省エネルギーセンター会長賞)受賞>は、燃料噴射時期の最適化、大量EGR(排気再循環)、強いスワール(空気の渦)の生成により実現した日産独自の「エムM－ファイアFire燃焼」により、NOxとPM（粒子状物質）の排出量を同時に大幅低減した他、一層の燃費向上及びCO2排出量の低減も達成している。
• ディーゼル車全車についてNOx総量規制制度の排出ガス規制に適合させるとともに、ディーゼルAT車について平成10年排出ガス規制をクリアさせ（MT車は平成9年排出ガス規制をクリア）、またガソリン車については全車で10・15モードでのCO、HC、NOxの排出ガス値を現行規制値の1/10レベルに低減したLEV仕様（Low Emission Vehicle）とした他、七都県市低公害車指定制度および京阪神6府県市低NOx車指定制度等の排出ガス基準や、国の「物品等の環境負荷の少ない仕様、材質等に関する推奨リスト」のガイドラインをクリアしている。

■「ADバン」LEV 排出ガス値（10・15モード）
●QG13DE、QG15DE （単位：g/km）

●QG18DE （単位：g/km）

・ 天然ガス仕様車（2000年初頭に追加設定）は、環境庁低公害車等排出ガス技術指針の超低排出ガスレベル（J－ULEV）をクリアできるだけでなく、小型バンではトップクラスの航続距離を確保し、ガソリン車と同等の動力性能、運転性能を発揮する。

＜高い安全性＞ 　日産自動車では、「インフォメーションセーフティ（危険を予知する安全技術）」、「コントロールセーフティ（危険を回避する安全技術）」、「インパクトセーフティ（被害を最小化する安全技術）」という3つの砦からなる「トリプルセーフティ」という安全思想を基に、さらなる安全性の向上を目指したクルマづくりを行っている。

■「ADバン」安全採用項目
● 「インフォメーションセーフティ（危険を予知する安全技術）」
・ ハロゲンヘッドランプ
・ ハイマウントストップランプ
・ リヤワイパー
など
● 「コントロールセーフティ（危険を回避する安全技術）」
・ ABS（アンチロックブレーキシステム）
・ ブレーキアシスト
・ フロントベンチレーテッドディスクブレーキ
など
● 「インパクトセーフティ（被害を最小化する安全技術）」
・ 「ゾーンボディ」
・ 運転席SRSエアバッグシステム
・ 助手席SRSエアバッグシステム
・ 運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム
・ 前席アクティブヘッドレスト
・ 前席ロードリミッター付プリテンショナーシートベルト
・ サイドドアビーム
など

＜全国希望小売り価格（消費税を含まず）＞
（単価：千円）

E-ATx：フルレンジ電子制御4速オートマチック
5MT：5速マニュアル
・4WD車については6月21日より発売