日産フォーミュラEチーム、マドリードE-Prixではポイント獲得ならず

マドリードE-Prixのコース上で、スピードに乗って走行する日産e-4ORCE 05・23号車を駆るノーマン ナトーのサイドショット。

 

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は、同社のフォーミュラEチームがABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12(2025/26)第6戦として開催された初のマドリードE-Prixに参戦したものの、オリバー ローランド、ノーマン ナトーの両名ともにポイント獲得には至らなかったことを発表しました。観客を迎えて開催された、スペイン初のE-Prixは、悔しさの残る一戦となりました。

 

 

ウエットコンディションという難しい状況で行われた予選では、両ドライバーが高いパフォーマンスを発揮し、デュエル進出を果たしました。ローランドは8番手グリッドを獲得し、ナトーもデュエルの準決勝まで進出し、決勝レースでは4番手からスタートしました。

決勝レース開始時には路面は乾きつつあり、序盤は両車ともに前向きな展開を見せました。しかしローランドは、スタート時のパワー超過によりドライブスルーペナルティを科され大きく順位を落とし、最終的には16位でチェッカーを受けました。

一方、ナトーはスタート直後の接触によりいくつかポジションを落としましたが、すぐに立て直し、レースの大半をポイント圏内で走行。7位まで順位を上げる場面もありましたが、終盤にテクニカルトラブルに見舞われ、最終結果は11位となりました。

翌日に開催されたルーキーテストでは、日産フォーミュラEチームは実り多い内容でテストを終えました。シミュレーター兼開発ドライバーのアビー プリングと、アルピーヌ・レーシング所属のビクター マーティンスが、いずれも高い競争力を示すラップタイムを記録しました。プリングは走行開始直後から高いペースを発揮。午前セッションで8番手タイムを記録すると、その後も安定した走りを続け午後は9番手で一日を締めくくりました。一方、マーティンスはGEN3 Evoマシンをドライブするのは初めてだったため、午前中は新しいマシンへの順応に集中し11番手でセッションを終えました。午後には一気にペースを引き上げ、4番手タイムをマークする走りを披露しました。

今回のテストの主な目的は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12の残りレースに向けたデータ収集です。両ドライバーは、各3時間の2セッションを通じて多岐にわたるテスト項目を消化。300kWおよび350kWの両パワーモードで、エネルギーマネジメントやセットアップの検証を含むレースシミュレーションに取り組みました。

日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクター、およびチームプリンシパルであるトマソ ヴォルペは以下の通りに振り返りました。「週末を通して高いパフォーマンスを示していただけに、このサーキットで結果を残せなかったのは非常に残念です。2台そろってデュエルに進出できたのは大きな成果でしたし、レースもナトーのピットブーストまでは順調でした。ただ、その後ペースが落ちてしまい、この原因については調査が必要です。ローランドについても、ドライブスルーペナルティがなければ上位争いができていたはずです。チームとして素晴らしい仕事ができていたので、なおさら悔しさが残ります。ベルリンまでのインターバルを活用し、こうした技術的な問題を洗い出し再発防止に努めます。一方、ルーキーテストに参加したプリングとマーティンスにはシーズン後半を見据えた濃密なプログラムに取り組んでもらいました。今回のテストの主眼は順位ではありませんが、午後に二人そろってトップ10に入ったのは素晴らしい成果です。プリングは的確で質の高いフィードバックを通じて、複数のテスト項目の理解と改善に大きく貢献してくれました。また、マーティンスにとってGEN3 Evoは初ドライブでしたが、すぐに高いパフォーマンスを見せてくれました。チームとしても価値のある一日となりました」

 

 

オリバー ローランド(日産フォーミュラEチーム ドライバー)

「天候が安定しない難しい週末でしたが、フリー走行では感触も良く、予選でデュエル進出という目標も達成できました。決勝も序盤は効率よく走れていましたが、ドライブスルーペナルティを受けて状況が大きく変わってしまいました。ペース自体は最後まで悪くなかったので、ペナルティがなければもっと上位で戦えたと思います。悔しい結果ですが、技術的な問題の原因をしっかり理解し、シーズン後半に向けて立て直していきたいです」

チームガレージで、ヘルメットを着用しバイザーを上げた状態で、コースインの時を待っているオリバー ローランド。

 

ノーマン ナトー(日産フォーミュラEチーム ドライバー)

ヘルメットを着用しバイザーを上げた状態で、23号車のマシンに座り、コースインを待っているノーマン ナトー。

「このサーキットは走っていて本当に楽しいですし、週末を通してファンの皆さんの応援も素晴らしかったです。予選では難しいウエットコンディションの中で再びグループ最速を記録し、準決勝まで進めたことには満足しています。決勝は厳しいスタートになりましたが、常にトップ10圏内で戦えていました。ただ、終盤にテクニカルな問題が発生し、ペースを失ってしまいました。4番手スタートからポイントを獲得できなかったのは非常に悔しいです。今シーズンは予選で速さを見せられていますが、本戦でのレース運びは思い通りに展開できていません。すべてがかみ合った時に最大限の結果を出せるよう、引き続き集中して臨みます」

 

アビー プリング

「とても良いテストになりました。前回このサーキットを走った時よりも成長できたことを誇りに思いますし、その点をとても嬉しく感じています。午後のセッションでは、もう少し上位を狙っていましたが、ほぼ同じタイムになった理由も分かっているので、シミュレーターでしっかり取り組みたいと思います。トップ10を2回記録できたのは前向きな結果です。まだ理想のレベルには届いていませんが、クルマにはすぐに馴染めましたし、着実に前進できていると感じています」

ピンク色のヘルメットを着用したアビー プリングが、赤と白を基調としたレーシングカーのコックピットに座り、正面を向いている。周囲に車体番号23が見える。

 

ビクター マーティンス

「素晴らしいテストでした。日産フォーミュラEチームと再び走ることができて本当に嬉しいです。予定していたプログラムをすべてこなし、システムへの理解を深めながら限界を探ることができました。チームの目標達成に貢献できるよう、できる限りのフィードバックも伝えています。高低差があり、高速コーナーの多いこのサーキットでのドライビングもとても楽しかったです。充実した一日をありがとうございました」

赤・白・青を基調としたレーシングカーのコックピットで、青いヘルメットを着用したビクター マーティンスが前方を見据えて座っている。周囲はスピード感のある背景で、車体には「1」の番号が見える。

 

また、日産は、同社のフォーミュラEチームが、長年にわたりパートナーシップを築いてきたアルピーヌ・テックとのスポンサー契約を、ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12の残り期間にわたり更新したことを発表しました。本契約により、日産フォーミュラEチームのレースカーおよびドライバーのレーシングスーツに、アルピーヌ・テックのブランディングが施されます。

アルピーヌ・テックとの既存のパートナーシップは、GEN3時代を戦う日産フォーミュラEチームの歩みにおいて重要な役割を果たしてきました。フランスのメーカーであるアルピーヌ・テックは、極めて高いシナジーを生む協業を通じて、日産 e‑4ORCE 05 フォーミュラEパワートレインの開発を支援。これにより、日産フォーミュラEチームは6勝を挙げ、オリバー ローランドとともにシーズン11のドライバーズランキングを制しています。

両社は若手ドライバーの育成においても密接に連携しており、日産フォーミュラEチームのルーキードライバーの中には、アルピーヌと以前から関係を持つ選手も含まれています。この長年にわたる協力関係を記念し、今週末のマドリードE-Prixから、#1および#23の両日産 e‑4ORCE 05のリアウイング・エンドプレート内側にアルピーヌ・テックのロゴが掲出されます。あわせて、ドライバーのレーシングスーツにも同ロゴが施されます。

トマソ ヴォルペは以下の通り述べました。「GEN3シーズンの残り期間にわたり、アルピーヌ・テックのブランドを掲出できることを大変うれしく思います。このパートナーシップと協業は、フォーミュラEのGEN3時代における私たちの成功に欠かせないものでした。アルピーヌ・テックとの関係は多岐にわたり、さまざまな接点を通じて価値あるサポートを受けています。今後も共に歩んでいけることを楽しみにしています」

 

日産フォーミュラEチームのマシンのリアウイング・エンドプレート内側に配された、Alpine Techのロゴ

アルピーヌ・テックのバイスプレジデントであるアクセル・プラス氏は以下の通り述べました。「アルピーヌ・テックは、フォーミュラ1や耐久レースを含むトップレベルのモータースポーツで長年培ってきた専門性を基盤に、さらなる進化を続けています。日産フォーミュラEチームとともに、卓越したエンジニアリング力を有し、コンサルティングやテクノロジーサービスを通じて新たなプロジェクトに知見を活かすことは、私たちにとって重要な優先事項です。今回の日産フォーミュラEチームとのパートナーシップは、人材と専門性を最適に融合させた好例と言えます。高い競争力を持つ両組織が力を結集し、効率性とパワー密度の限界に挑むことで、世界最高水準の電動パワートレインを生み出していく姿を示しています」

 

以上