日産、ルノー 欧州におけるマーケティング組織再編について

2000年5月15日

 

日産、ルノー 欧州におけるマーケティング組織再編について

 

 

日産自動車とルノーは、提携による利益ある成長を実現する為に、欧州において両社の協力による新たな販売・マーケティング組織を構築する。両社は、欧州市場でのマーケットシェアをあわせて17%以上とすることを提携の中期的な目標としており、独立した2つのブランドをそれぞれ確立することで、販売増を図る。

これにより今後5年間(2000~2005年)で10億ユーロの収益に及ぼす効果が見込まれる。この効果は、日産リバイバルプランの達成及び日産とルノーの市場競争力の更なる強化に貢献するものである。1999年の両社合計の販売台数は2,395,456台であった。

本計画は労使協議会での協議を経て、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スイス、英国の7カ国(注1)において、2000年7月から実行され、2003年末に完了予定である。この計画は上記7ヶ国の他、全欧を統括するルノー本社・欧州日産の販売・マーケティング組織でも実施される。

 

【テリトリー/ディーラーレベル】

日産とルノーの販売・マーケティング新組織は、両社共通のビジネス・パートナーの下で組織されるディーラー・ネットワークを基盤として構築される。ビジネス・パートナーの数は減るが、より強力な組織となり、従来よりも広範な地域を対象に、日産・ルノーのそれぞれ独立した販売・サービスネットワークを展開する。

両社はこの共通ハブを、今後欧州全域で予想される車両流通の変革に対応する為の提携戦略の一部として位置づけており、既に実施に向けての具体的な作業が始まっている。この共通ハブは日産・ルノーの両ブランドをサポートするバックオフィス機能を持ち、対象地域の拡大、また著しい販売台数の増加により、多大なスケールメリットが期待できる。顧客への販売とサービスは、従来と同様それぞれ独立したブランドで展開することになる。

ユーザに直接関係しない業務や、ブランド・アイデンティティに関係しない業務については(例:部品管理や物流、一般管理など)、共通ハブで集中してサービスを行う。これによって競争力が強化され、両社共通のビジネス・パートナーはルノーと日産双方のためにサービスの質と顧客の満足度を高める為の投資をすることが出来る。

地域的な事情、経済力、経営体制によっても異なるが、現在の日産及びルノーのいくつかのディーラーは、これら共通ハブの構築に投資し、運営を行っていく。更に戦略的に重要ないくつかの主要都市では、ルノーが直営販売店を活用し、ハブ戦略にのっとって、日産の販売強化の支援を行う。

日産とルノーの共通ハブは2002年に約70%、2005年までには約90%に達する見込みである。2005年には共通ハブの数は460となる見込みである。共通ハブが扱う販売は、2002年までにはルノーの販売台数の3/4に、また日産の販売台数の2/3となる。それぞれ年間平均販売台数が、2,200台(現在のルノーの平均販売台数の2倍以上)、約700台(現在の日産の平均販売台数の約3倍)となる。このハブ戦略による販売増とコスト削減効果は、日産とルノーあわせて2005年までに2億3,000万ユーロを上回ると見込まれ、より効果的なマーケティング活動が可能になる。

 

【各国/販売会社レベル】

ルノーと日産は対象7カ国のそれぞれにおいて、ブランド・アイデンティティや顧客に直接関係しないバック・オフィス業務についてはすべて共同運営とし、各ハブに必要な業務支援を行う。これらの業務はブランドに関連しないマーケティング業務や、その他の支援業務である。

ドイツ、オランダ、スイスにおける日産とルノーの販売・マーケティング業務は、ルノーが主導する。但し、日産車の販売については日産のブランドマネージメント専任チームが、日産のブランドマネージメントを行う。

フランス、イタリア、スペイン、英国では、経営体制及びマーケット責任を日産・ルノー各々のブランドが独立して持ち、共にルノーによるバック・オフィスの業務支援を受ける。

ドイツ、スイス、オランダ、英国については、業務効率と施設の維持コストの理由から、上述のそれぞれの国に適用される経営体制とは関係なく事業所の統合化が検討されている。

 

【欧州レベル】

ルノーと日産の販売・マーケティング体制を同様に構築し、2つのブランドを共通のバック・オフィスにより支援していく。これらの支援業務を行うバック・オフィスはルノーの責任の下にパリに置かれ、ブランドに関係しないマーケティング業務や、その他の支援業務を担当する。これらのサービス業務への移管は2000年10月より開始される予定である。欧州日産は2001年1月までに、販売支援・マーケティング業務を、共通のバック・オフィスに近いパリ地域の事業所に移転する。部品とアクセサリーに関わる業務は従来通りオランダで担当する。欧州日産の本社はアムステルダムに残し、引き続き欧州での日産の事業に責任を持つ。

又、両社とも商品ラインアップを拡充し、相互に支援し合う体制を整える。日産はルノーの小型商用車をラインアップに取り入れ、日産エンブレムを付け、これを販売する。ルノーは日産の一部の商品(現行のまたは開発中の)を取り入れ、SUVモデルのラインアップの充実を図る。これらのマーケティング・プランは2000年10月までに策定される。

ハブ体制を構築することにより相互にもたらされる効果2億3,000万ユーロに加え、新体制への移行による営業費用の削減と部品・アクセサリーの販売増加によって、2005年までに合計4億ユーロの効果を見込んでいる。OEMによる効果も含めると、全体で少なくとも10億ユーロの効果を見込んでいる。

日産とルノーの販売・マーケティング部門に携わる5,600人のスタッフのうち、2003年までに9%の人員削減を予定している。日産の削減人員の一部は、新設されるルノーのバック・オフィスにうつることとなる。

日産とルノーをあわせた1999年の欧州における販売台数は、乗用車と小型商用車あわせて2,395,456,台、14.2%のマーケット・シェアを確保している。1999年の欧州におけるルノーの販売台数は1,909,932台(注2)で、マーケット・シェアは11.3%と欧州における乗用車と小型商用車のトップブランドの地位を築いている。日産の1999年の欧州における販売台数は、乗用車と小型商用車あわせて485,524台、マーケット・シェアは2.9%であった。

欧州でのこの計画は、日産とルノーが共に利益ある成長を目指し、パートナーに積極的な支援を行うことによって、一層強力なプレゼンス確立を手助けするという提携のグローバル戦略に基づいている。このように、ルノーは欧州での日産の発展を支援し、日産はメキシコ、オーストラリア、日本でのルノーの事業発展に協力している。

 

注1)これら7ヶ国の販売会社は日産の子会社である。
注2)1999年のEU諸国での販売合計。

 

 

以  上