ルノー・日産アライアンスは29日、両社の提携から10年を経て、両社の関係を新たな段階へとさらに引き上げると発表した。2009年度は、生産・物流、車両開発、パワートレイン、購買等の分野においてフリーキャッシュフローで15億ユーロ(1,800億円)のシナジー効果創出に取り組む。また、両社の関係をより深く広範囲に亘るものとし、シナジーによる両社への貢献を最大化するため、小規模な専門チームを設立する。
ルノー及び日産の社長であるカルロス ゴーンは、「過去10年間、私たちはルノーおよび日産にウィン・ウィンのシナジーをもたらすためにアライアンスを活用してきた。この素晴らしい取り組みにより、両社は利益を上げ、成長することができた。しかし現在、私たちはさらに迅速に行動していかなければならない。シナジーの追求はもはや選択肢ではなく必須事項である。私たちは、さらなるシナジーの創出に焦点を置いた専門チームを設立する。これにより、危機を乗り越え、将来に向けて競争力を持ったポジションを維持していくことができるだろう」と語った。
1999年のアライアンス設立以降、ルノーと日産は、両社に大きな価値をもたらしたこのアライアンスを遂行し、それを発展させてきた。この中には、共有プラットフォームや共通パワートレイン、先進技術における協力、生産方式の標準化、商品ラインアップの拡充、各社のグローバルでの活動範囲の拡大といったものが含まれる。両社の合計販売台数(アフトヴァズ社含む)は、1999年の490万台から2008年には690万台へと増加し、ルノー・日産アライアンスは世界第3位の自動車グループとなった。
現在の経済状況の中で、ルノー、日産両社の協力関係はより一層深まっていくだろう。2009年度は15億ユーロ(1,800億円)のシナジー効果を生み出し、両社が同等にその恩恵を受けることを目標としている。これらのシナジーの詳細は以下の通り。
- 生産および物流分野においては、3億6,300万ユーロ(435億円)のシナジーが見込まれている。ルノー、日産両社は、最適な地域での生産により利益を生み出し、現地通貨を用いて生産を行い、現在ある工場の生産能力を最大限活用するために、今後も生産施設を共有していく。例えば、ルノーのブラジル工場では、既に生産されている日産フロンティアに加え、本年より日産の車両を3車種生産し、日産の南アフリカ工場ではルノーモデルベースの車両を2車種生産している。2009年度末までには、合計13車種がこのような形でクロス生産されることになる。物流に関しては、特に欧州で、新たな部品センターの共有、物流経路の標準化により、購買物流および出荷物流におけるさらなるコスト削減が見込まれている。
- パワートレインの分野では、2億8,900万ユーロ(347億円)のシナジーが期待できる。ルノー、日産両社は、エンジンの共有などで協力関係を加速させ、開発、購買および生産に関するコストの削減を見込む。代表例は、ルノーによる日産のエンジンをベースとした新しい小型ターボチャージャー付ガソリンエンジンの開発が挙げられる。
- 車両開発におけるシナジーは、共有プラットフォームや流用可能部品の使用から生じており、2億7,900万ユーロ(335億円)とシナジー効果となる。共有プラットフォームは、現在、アライアンス全体の生産台数の70%で使用されている。例えば、ルノーと日産は、インドにおいてプラットフォームを共同で使用したエントリーレベル車両の生産を計画している。また、両社の車両で流用可能部品を使用することによりさらなるコスト削減が行われている。例えば、空調システムに使われるコア部品1種類が、BおよびCプラットフォームの24モデルに使用される予定である。
- 購買においては1億5,700万ユーロ(188億円)のシナジーが生み出される。2009年4月から、アライアンスにおけるルノー・ニッサンパーチェシングオーガニゼーション(RNPO)の共同購買比率は100%となっている。現時点では、共同購買は購入部品と原材料に限られているが、サービスサポート分野にも範囲を拡大中である。共同購買の例としては、ブレーキなどの調達や、韓国におけるルノー三星自動車のサプライヤーネットワークを活用した日産による調達の増加などが挙げられる。また、両社が使用する部品種類を削減することにより、さらなるコスト削減が見込まれている。
- 販売・マーケティング分野では、1億4,700万ユーロ(176億円)のシナジーが見込まれている。例えば、欧州における代理店との契約では、現在1社がルノー、日産両社と一括契約している。
- 研究および先行開発の分野では、両社での重複を避け、資源分配を改善させる取り組みを行っており、1億1,500万ユーロ(138億円)のコスト削減が見込まれる。例えば、ルノー及び日産の電気自動車には共同開発のバッテリーが搭載される予定である。また、昨年発表されたルノーの燃料電池車は、日産の燃料電池技術を採用している。さらに、両社は、CO2排出、ライフオンボード、安全およびダイナミック・パフォーマンスに関する技術に関して協力体制を築いていく。
- 小型商用車(LCV)の分野においては、クロス・バッジやクロス生産により、1億200万ユーロ(122億円)のシナジー効果が期待できる。例えば、両社は最近、欧州で1種類の共通プラットフォームから2種類の小型商用車を作る計画に合意した。
- 情報システム・サポート機能に関しては、4,800万ユーロ(58億円)のシナジーを見込んでいる。欧州では、ルノー、日産両社がIS/ITの分野において共通の社内リソースの利用を強化していく。またデータネットワークインフラの両社での統合をさらに進めていく。
現在、ルノー、日産は、世界的な経済危機に見舞われている自動車業界において、アライアンスというユニークな競争優位性を持っている。アライアンスは、10年間に培われた異文化間のマネージメントや経験の共有から得たノウハウを最大限活用するために、日産から6名、ルノーから5名がそれぞれ小規模な専門チームを作る。6月1日以降、あらゆるレベルにおいてシナジーを生み出し、2009年度だけではなく将来的にも共通化と標準化をさらに進めるために、両社に関するより深い理解を進めていく。
このアライアンス専門チームは、グローバル調達、プラットフォームと部品の共有化、パワートレイン、サポート機能、グローバル物流、IS/IT、研究および先行開発、ゼロ・エミッション事業の分野を優先事項として取り組んでいく。
アライアンスは、10年間の協働から得た信頼や信用を基盤としており、これまで常に高いパフォーマンスをもたらすツールであった。専門チームのサポートによるシナジー強化により、ルノー、日産両社は、現在の危機を乗り越え、より強力で競争力のあるグローバルカンパニーとなる。
※為替レートについては、1ユーロ=120円を基に換算した。
以 上