近年、日産は小型商用車(LCV)に重点を置いていて、LCV事業は過去数年で明らかな成長を見せています。しかし、歴史的には、LCV事業は同社の設立時からすでに重要な事業でした。日産はもともと、約90年前の戦前の日本で、「ダットサン」というブランド名で自動車を製造・販売していました。
日産という名前の登場
1931年、日産自動車の前身にあたるダット自動車製造は新しい小型自動車を発表しました。これは最初は「ダットソン(Datson)」と呼ばれており、同社のさらに源流にあたる快進社自働車工場の製品だった「ダット(DAT)」の息子という意味です。1932年後半、Datsonの後半のスペルが「sun」に変更され、「Datsun」になりました。この第一世代のダットサンには、クーペやフェートンといった乗用車とあわせてピックアップトラックもラインナップされていました。
日産自動車は、ダット自動車製造からこのダットサンの製造権のみを譲り受け、1933年12月に「自動車製造」という社名で創業されました。まもなく社名が「日産自動車」に変更され、現在に至ります。
1935年4月、日産自動車は、日本初の大量生産工場となる本社工場を横浜市神奈川区に設立します。この組立ラインを出た最初のモデルは、ダットサン14型というシリーズで、ピックアップトラックとライトバンを含んでいました。
第二次世界大戦後の日本では、経済復興のためにも小口輸送を担う小型ピックアップトラックは不可欠でした。戦後まもなく生産再開されたダットサンピックアップは、戦後数十年にわたり国民的商用車として愛され続けました。1958年からは米国向け輸出も始まり、独自の魅力とユーティリティで米国でもレジャーカーとして受け入れられ、新たなファン層を築いていきます。1950~1960年代にかけては、キャブオーバートラック、キャブオーバーバン、乗用車にも使える小型ライトバン、悪路走破性の高い4WD車もラインナップに加え、日産のLCVは用途に合わせた選択が可能なワイドバリエーションを実現していきます。
現在、日産はグローバル市場向けに多種多様なLCVを提供しています。特に、最新型ピックアップトラックであるNP300/フロンティア/ナバラとタイタン、同じくフレームSUVのテラとパトロールは、長い歴史をもつ日産の商品として世界のお客さまから高い信頼を得ています。また、1973年の誕生以来、日本のお客さまに愛され続けるキャラバンも、最新型のNV350キャラバンとして多くのプロフェッショナルたちに変わらぬ支持をいただいています。
アライアンスについて
1999年、日産はフランスのルノーSAとの提携契約に調印しました。1999年3月27日に調印されたルノーと日産の提携は、それぞれが独自の社風とブランド・アイデンティティを持つ日本とフランスの自動車メーカーの初の提携となりました。他に類例をみないこの提携は、20年を経てかつてないほどの成長をみせました。わたしたちは、これからも、LCV事業を含め、あらゆる分野でシナジーを追求してまいります。